◉色の重量感覚
色はものの重さの感覚にも影響を与えます。たとえば黒や紺などの濃い色は重たく感じ、白やパステルのような薄く明るい色は軽い感じがします。色と重さのある実験では白の重さを1とすると黄色はおよそ1・1倍、黄緑は1・3倍、水色は1・5倍、赤は1・7倍、黒は1・8倍も重く感じたといいます。
引越業者のダンボールには、白い色のものがよく使われています。これは清潔な印象を与えるだけでなく、心理的に軽く感じる色なのです。逆に金庫が黒いのは、目立たなくする防犯上の効果もありますが、心理的に重い色を使うことで簡単には持ち去られないような心理効果も期待できます。
◉色に重さを感じるメカニズム
色と重さに関する研究は少なく、未だ完全には解明されていません。ただし色と温度の感覚と同じようにイメージの影響を強く受けていると考えられます。白は雪、雲、綿などの軽いもの、黒は鉄などの重たいものを連想し、その先入観の影響を強く受けているようです。
出典:決定版 色彩心理図鑑
【書誌情報】
『決定版 色彩心理図鑑 』
ポーポー・ポロダクション 著
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「ポーポー・ポロダクション」による、色彩心理のすべてがつかめる決定版!
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公開日:2022.05.12