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良いことや悪いことを引き起こす「言霊」ってなに?

Text:渋谷申博

言葉がよいことや悪いことを引き起こす信仰

日本では古来、言葉には霊性(神霊)が宿っていて、不用意に用いると、悪しきことを引き起こすと恐れられていました。この言葉に宿る霊性のことを「言霊」といいます。言葉が霊力を秘めていると考えるのは日本だけではなく、世界中にみられる信仰です。呪文のたぐいは、いずれも言葉の霊力の信仰に基づくものです。ただ、日本の場合は、和歌などとも結びついて
独自の文化を形成してきました。たとえば、小お野のの小こ 町まちは日ひ照で りの際に和歌を詠んで雨を降らせたとされます。和歌は仏教の真言・陀羅尼*といった呪文に匹敵する霊力を発揮すると信じられたのです。

実は、今でも言霊の信仰は生きています。結婚式で「わかれる」「切れる」と言った言葉を避けるのも、葬式で「重ねる」「繰り返し」「続く」といった言葉を忌いむのも、言霊の作用で結婚が破は綻たんしたり、不幸が続くことを避けるためです。また、受験生が「滑る」「落ちる」といった言葉を嫌がるのも、知らず知らずのうちに言霊信仰
を受け継いでいる証拠です。言霊は悪しきことばかりを招くわけではありません。よいことも引きつけてくれます。何か失敗
をしてしまった時や、忌み言葉をうっかり言ってしまった時は、よい言葉で言い換えることで被害を軽減し、福を招くことができるとされます。これを「のり直し」といいます。高貴な人の誕生日で少々大げさな祝いの言葉を述べるのも、寿よごと詞・言こと祝ほ ぎという呪術的行為でした。「よい言葉」の言霊の作用で、寿命を延ばしたり、幸運が招かれることを願ったのです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博

「神道には教義がないって、本当なの?」「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」 神道の起源から日本の神様、開運神社のご利益まで楽しくわかる! 古代から伝えられてきた日本の心──神道。その奥深い世界を57項目の素朴な疑問からズバリ解説しす。

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