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外国生まれの神様でも神社で祀られてるって本当?

Text:渋谷申博

外来の神様も神道に取り入れられている

神道は日本固有の宗教だから、崇拝されている神様も日本固有のもの、と思われているのではありませんか。概略では間違っていないのですが、「すべての神様が日本生まれ」というわけではありません。たとえば、神社によっては境内に七福神の社や像を祀っているところがありますが、七福神のうち純粋な日本の神様は恵比寿だけです。毘沙門天・弁才天・布袋は仏教(インド)、福禄寿と寿老人は道教(中国)の神様です。大黒天はオオクニヌシのこととすれば日本の神様になりますが、大黒天という名前は仏教由来です。七福神は中世以降の信仰ですが、『古事記』『日本書紀』の神話まで遡さかのぼっても外来の神様は登場しています。記紀(『古事記』『日本書紀』)の神話に登場する外国生まれの神様の代表がアメノヒボコ(天之日矛の命)です。

アメノヒボコは朝鮮半島の新し ら羅ぎ の国の王子で、赤い玉から生まれた美女*を妻としていました。美女はさまざまな美食をつくって夫に食べさせたのですが、驕おごり高ぶったアメノヒボコは妻を口汚く罵ののしりました。すると美女は怒って「私はあなたのような者の妻になるべき女ではないのです」と言い、父が住むという日本の難なにわ波に渡ってしまいました。あわてたアメノヒボコはその後を追って難波に入ろうとしましたが、港の神に妨害されて中に入ることができません。そこで但たじ馬ま 国に鎮座したとされ、出石神社などで今も祀られています。アメノヒボコは渡来系の氏族が祭祀を始めたのではないかと思われますが、このほか新羅明神のように留学僧などが伝えた信仰もあります。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博

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