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謎に満ちている「鳥居」の語源や起源のひみつとは?

Text:渋谷申博

鳥居は語源も起源も定かになっていない

鳥居は神社のシンボルのようなものです。鳥居が立っていれば、社殿がなくても、そこが神様を祀る場所だということがわかります。また、社殿が現代建築であっても、鳥居があれば、神社だと気づくことができます。ですから、神社を表す地図記号が鳥居*であるのは、実に理にかなったことだと思います。しかし、鳥居がいつから神社で用いられているのか、なぜ鳥居というのかといったことはわかっておらず、その起源は謎に満ちています。鳥居の起源がわからないのは、木造が多いため古い遺構が残りにくいことに加え、ごく当たり前に用いられてきたものなので、記録にも残っていないということがあります。

現存最古の鳥居は山形県最
上地方にある石造のもので、平安後期に建てられました。ここから平安時代には、今と同じ形式の鳥居があったことがわかりますが、それ以前のことは不明です。インドのトラーナという門や中国の華表という標識が日本に伝わったという説もありますが、立証されていません。諏訪大社の御柱祭のような柱を立てる儀礼に起源を求める説もありますが、鳥居は簡易な構造ではあっても柱ではなく建築物ですし、俗界と神域を結界する役目を果たしていますので、立柱儀礼とは区別して考えるべきでしょう。神話や古墳の壁画などから、古代の日本人は死者の霊が鳥の姿になると考えていたことがわかっていますが、鳥居はそうした鳥の姿の霊を止めるためのものだと考える説もあります。たしかに鳥が止まりやすい形で、名前も「鳥が居る」ですが、この説も決め手に欠けます。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷申博

「神道には教義がないって、本当なの?」「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」 神道の起源から日本の神様、開運神社のご利益まで楽しくわかる! 古代から伝えられてきた日本の心──神道。その奥深い世界を57項目の素朴な疑問からズバリ解説しす。

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