LOVE SPORTS

  • HOME
  • 書籍
  • 本殿や拝殿がない神社があるって、本当?本殿がない神社の神様は自然の中に住む【図解 神道】

本殿や拝殿がない神社があるって、本当?本殿がない神社の神様は自然の中に住む【図解 神道】

Text:渋谷申博

本殿や拝殿を必要としない神社がある

結論から先にいってしまえば、本殿がない神社、拝殿がない神社、いずれもあります。神社の規模が小さいため拝殿がつくれないとか、経営難のために本殿が再建できないといったことではなく、由緒ある規模の大きな神社でありながら本殿や拝殿をもたない神社があるのです。本殿をもたない神社の代表例が、奈良の大神神社と埼玉の金鑚神社です。拝殿をもたない神社では伊勢神宮があげられます。

大神神社や金鑚神社が本殿をもたない理由は明快です。どちらも御神体が山なのです。本殿は御祭神の神霊が宿るご神体を奉安するための建物ですが、山を社殿に入れるわけにはいきませんし、山を覆うような建物も建てられませんので、本殿はないわけです。これは聖なる山に向かって祭祀を行なっていた時代の信仰を残しているものと思われます。かつてはこのような神社が日本の各地にありました。

境内に神霊を招いていれば、いつでも直接お祀りができますし、山を登って祭祀を行なう必要もないからです。また、聖なる山に対する信仰の変化も背景にあるでしょう。一方、拝殿をもたない神社は、神社は神様のための場所という考え方に基づいていると思われます。建物の中から礼拝するのは畏れ多いというわけです。実は仏教伝来当時のお寺でも、金堂(本殿を安置する建物)は仏様だけの場所で、法要を行なう僧以外は堂の外から礼拝していました。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』監/渋谷申博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷 申博

「神道には教義がないって、本当なの?」「八百万の神々の中で一番偉いのは、誰?」「鳥はいないのに、なぜ鳥居というの?」神道の起源から日本の神様、開運神社のご利益まで楽しくわかる!古代から伝えられてきた日本の心──神道。その奥深い世界を57項目の素朴な疑問からズバリ解説します。「祭りを行なうのは生命力を更新するため」など、知っているようで知らなかった初耳学が満載!かわいいイラストや図解を交え、はじめての人でも神道の基礎知識がわかり、神社参拝が楽しくなるエンターテインメント雑学教養本です。

  • この記事を共有する!
芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内