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巫女さんは何をする人なの?神の近くにいることを許された特別な女性【図解 神道】

Text:渋谷申博

もとは神様と祈願者の仲介役だった

神職になるには資格が必要です。神社本庁の試験に合格するか國學院大學・皇學館大學などの養成機関で必要単位をとり、実習を修了する必要があります。しかし、巫女には資格は必要ありません。神社によっては一定の条件(年齢や居住地域など)をつけることはあるかもしれませんが、資格試験などはありません。ただし、古代の巫女は常人では務まりませんでした。

というのは、古代の巫女は神霊を体に憑依させたり、自分の魂を神様のもとに送って、神様の言葉を聞き取らねばならなかったからです。そうした才能がなければ、巫女にはなれませんでした。古代の祭祀では、こうした巫女は不可欠だったため、神社などでも一定の地位が認められ、社会的身分も高いものがありました。

これは、古代の巫女の姿を写したと思われるアメノウズメ(14.28項参照)が、神話で重要な役割を果たしていることからも知られます。邪馬台国の女王だった卑弥呼も、神功皇后(33項参照)も、神霊を身に憑依させてお告げをする能力ももっていました。ところが時代が下がるにつれて、託宣を受けることより儀礼を荘重に行なうことのほうが重視されるようになりました。

その結果、神社の巫女は託宣を行なわなくなり、舞いなどの芸能を神様に捧げる役となっていったのです。一方、託宣を行なう巫女は民間で活動するようになりました。死者の霊を呼び寄せてその言葉を伝える口寄せ巫女などがその例です。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』監/渋谷申博

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 神道』
著:渋谷 申博

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