中国の富豪に買収されたハリウッドスタジオ
2015年ごろから、ハリウッドで制作される映画の中で、中国の存在が大きくなっています。マット・デイモン主演の『オデッセイ』でも、NASAの窮地を救うのが中国国家航天局という設定。ほかにもハリウッド映画で中国人俳優の起用が多くなったり、設定そのものが中国寄りという現象が起こっています。これは習近平・中国国家主席が無類のハリウッドの戦争映画が好きだったことが大きくかかわっています。アメリカにとっては娯楽のひとつである映画も、中国にとっては大きな輸出産業のひとつ。習近平・中国国家主席はアメリカに対抗する社会主義文化強国を建設するため、映画産業の育成を重視します。さらに中国トップの大富豪である王健林氏は2016年『ジュラシックワールド』などを制作したレジェンダリー・エンターテインメントを買収し、一気にハリウッドへの殴り込みをかけました。
トランプ政権で緊張状態が続く
しかし、2018年に入ってからはその勢いが低下していきます。理由の1つは米中間で起きた貿易戦争です。トランプ政権は2018年7月、知的財産権侵害を理由に、818品目、日本円にして約3兆7700億円もの中国製品に対し25%の追徴課税を課しました。それに対し中国は報復関税を実施しています。このことにより両国の緊張は続いており、中国とアメリカの間でのハリウッド作品の上映に関する取り決めは保留になっている状態です。
『図解 地政学の話』はこんな人におすすめ!
・経済とテクノロジーをめぐる問題って?
・地政学ってそもそもなにが学べる?
・日々変わる世界の情勢を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識です。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
気になる中身を少しだけご紹介!自国に帰るシリア難民があとを絶たないってホント?
都市部で暮らすシリア難民
シリア危機が勃発した2011年以降、1100万人以上のシリア人が国内外で避難生活を送っています。国外では隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトの5か国が主にシリア難民の受け入れをしています。シリア内ではいつ殺されてもおかしくない状況にも関わらず、難民の中には自国に戻る人たちがいます。理由は経済的に苦しい状況に追い込まれているからです。
イラクを例にとると、シリア難民が避難していたクルディスタン地域からは約2万5000人が去り、多くが自国に戻ったといわれています。増え続けるシリア難民たちはキャンプではなく、都市部で暮らしています。都市部では生活面で困窮するケースが多くみられるのです。家賃や医療費も高く、それに見合うだけの収入も見込めません。雇用は自国民を優先させるため、どうしても難民の就労は難しい状況です。
隣国では国境封鎖も辞さない考え
現在、360万人のシリア難民を受け入れているトルコでは、政府が運営する難民キャンプの主要人数を超えており、難民の多くがキャンプの外で暮らしています。レバノンにも100万人近いシリア難民がいますが、国境を強いられています。レバノン政府は難民の定住を阻止したい考えで、国連機関による難民定住キャンプの建設を認めていません。また、受け入れている5か国も難民が来るのを防ぐため、国境封鎖を進めています。これらにより身動きのとれない難民が増え、自国に帰らざるを得ないのです。
★なぜ中国人観光客はメイドインジャパンを爆買いするの?
★AI大国はアメリカor中国どっち?
★日本が実は移民大国だった!?
★ウクライナ戦争が起こる理由は?
などなど気になるタイトルが目白押し!
政治、経済、地理、軍事と世界情勢がまるごと理解できる楽しい1冊です!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
荒巻 豊志 著
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2023.05.09
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