バンガロールの人たちと開発を進めるアメリカ企業
世界のトップ企業が次々とインドに拠点を置き始めています。インドのシリコンバレーといわれるバンガロールはおもにアメリカ企業の出先機関として発展してきました。インドがアメリカの企業の拠点となったのは、時差に関係があります。インドとアメリカの時差は12時間。アメリカが深夜のときインドは昼間。つまりアメリカのシリコンバレーで開発途中のソフトウェアをインドのバンガロールに引き継ぎすれば、シリコンバレーの人たちが寝ている間にバンガロールの人たちがその続きを開発します。その繰り返しで両者ともに数々のソフトウェアを世に送り出してきたのです。
イギリス領で多民族国家のインド
またインドは長らくイギリスの植民地だったため、準公用語が英語です。そのため、アメリカとは意思疎通がしやすいという面あります。インドは仏教、バラモン教、ヒンドゥー教、イスラム教など多宗教で他民族国家です。現在、インドで使われる言語は22種類です。異なる文化の民族が最低でも22集まってできた国。このあたりも多民族国家であるアメリカと通ずるところでもあります。また、カースト制度が廃止された後に新しく生まれたIT産業は、制度の名残があるなかでも影響をあまり受けなかったといわれています。カースト制度で一番下位のシュードラの中にもIT企業で働く人はいて、まさに国内の社会構造に変化を与えたといわれています。
『図解 地政学の話』はこんな人におすすめ!
・経済とテクノロジーをめぐる問題って?
・地政学ってそもそもなにが学べる?
・日々変わる世界の情勢を知りたい
と感じている方には大変おすすめな本です。
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識です。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
シリーズ累計250万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、文章と分かりやすい図で解説という形で構成されているので、本が苦手な人にも理解しやすい内容です。
図解シリーズには、健康・実用だけではなく大人の学びなおしにピッタリな教養のテーマも満載。さくっと読めてしまうのに、しっかりとした専門家の知識を身につけることができるのが最大の魅力です!
気になる中身を少しだけご紹介!自国に帰るシリア難民があとを絶たないってホント?
都市部で暮らすシリア難民
シリア危機が勃発した2011年以降、1100万人以上のシリア人が国内外で避難生活を送っています。国外では隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトの5か国が主にシリア難民の受け入れをしています。シリア内ではいつ殺されてもおかしくない状況にも関わらず、難民の中には自国に戻る人たちがいます。理由は経済的に苦しい状況に追い込まれているからです。
イラクを例にとると、シリア難民が避難していたクルディスタン地域からは約2万5000人が去り、多くが自国に戻ったといわれています。増え続けるシリア難民たちはキャンプではなく、都市部で暮らしています。都市部では生活面で困窮するケースが多くみられるのです。家賃や医療費も高く、それに見合うだけの収入も見込めません。雇用は自国民を優先させるため、どうしても難民の就労は難しい状況です。
隣国では国境封鎖も辞さない考え
現在、360万人のシリア難民を受け入れているトルコでは、政府が運営する難民キャンプの主要人数を超えており、難民の多くがキャンプの外で暮らしています。レバノンにも100万人近いシリア難民がいますが、国境を強いられています。レバノン政府は難民の定住を阻止したい考えで、国連機関による難民定住キャンプの建設を認めていません。また、受け入れている5か国も難民が来るのを防ぐため、国境封鎖を進めています。これらにより身動きのとれない難民が増え、自国に帰らざるを得ないのです。
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政治、経済、地理、軍事と世界情勢がまるごと理解できる楽しい1冊です!
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
荒巻 豊志 著
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2023.05.12
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