多重国籍者の外国籍離脱は努力義務
日本の法律では、両親の国籍が違う多重国籍者には満22歳の誕生日までにいずれかの国籍を選択するよう定めています。日本は血統主義のため、両親のいずれかが日本人の場合は日本国籍が得られるようになっています。しかし日本国籍を選択した場合でも、外国国籍を離脱するのは努力義務のみにとどまっています。なかには国籍を離脱することができない国もあり、日本国籍を選んだあとももう1つの国籍を放棄しない人もいます。
巷では二重国籍を認める議論も
今は日本にも多くの移民が暮らしています。将来的に外国人労働者が増加すると、アメリカや欧州のように二重国籍を認めたほうが彼らも安心て働くことができます。二重国籍の制度を緩和することで、世界中から優秀な人材を確保することも可能になります。また、最近はグローバル化が進み、『国籍唯一の原則』も時代遅れとなっています。とはいえ、世界で戦うスポーツ選手など、日本でない国を選べば“裏切者”といった批判が起きてしまうのも現実です。著名人の国籍選択問題が取り上げられるたびに、二重国籍の議論がなされているのです。
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気になる中身を少しだけご紹介!自国に帰るシリア難民があとを絶たないってホント?
都市部で暮らすシリア難民
シリア危機が勃発した2011年以降、1100万人以上のシリア人が国内外で避難生活を送っています。国外では隣国のトルコ、レバノン、ヨルダン、イラク、エジプトの5か国が主にシリア難民の受け入れをしています。シリア内ではいつ殺されてもおかしくない状況にも関わらず、難民の中には自国に戻る人たちがいます。理由は経済的に苦しい状況に追い込まれているからです。
イラクを例にとると、シリア難民が避難していたクルディスタン地域からは約2万5000人が去り、多くが自国に戻ったといわれています。増え続けるシリア難民たちはキャンプではなく、都市部で暮らしています。都市部では生活面で困窮するケースが多くみられるのです。家賃や医療費も高く、それに見合うだけの収入も見込めません。雇用は自国民を優先させるため、どうしても難民の就労は難しい状況です。
隣国では国境封鎖も辞さない考え
現在、360万人のシリア難民を受け入れているトルコでは、政府が運営する難民キャンプの主要人数を超えており、難民の多くがキャンプの外で暮らしています。レバノンにも100万人近いシリア難民がいますが、国境を強いられています。レバノン政府は難民の定住を阻止したい考えで、国連機関による難民定住キャンプの建設を認めていません。また、受け入れている5か国も難民が来るのを防ぐため、国境封鎖を進めています。これらにより身動きのとれない難民が増え、自国に帰らざるを得ないのです。
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【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
荒巻 豊志 著
「地政学」とは、地理的な条件が国家の政治、経済、軍事に与える影響を研究する学問。歴史的背景も関わり、国内・世界中で起こっている諸問題解決の糸口となる、まさに現代に最も必要な知識である。ニュースではよくわからない国際情勢と世界で起こっている現状が見えてくる!
公開日:2023.05.26
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