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地球は微惑星の衝突でできた?【宇宙の話】

Text:渡部潤一

衝突・合体が繰り返されて現在の形ができ上がった

地球生成のストーリーは、およそ46億年前、若い原始太陽の周囲にガスとちりからなる原始惑星系円盤が広がり、そのなかの微惑星同士が衝突・合体することからはじまります。

微惑星が衝突・合体して大きくなると重力が強くなり、より遠くの微惑星を引き寄せられるようになり、「原始地球」ができ上がっていきました。

このとき、、地球が火星や金星よりも大きく成長できたことが、その後の地球の環境を決める大きな決め手になったと考えられています。

たとえば火星の場合、その質量は地球の10パーセントほど。そのため重力が弱く、大気が宇宙空間に逃げてしまい、平均気温はマイナス40度しかありません。

つまり、私たち生命体が存在できるか否かは、惑星の大きさがとても重要なのです。

加速度的に成長した原始地球の表面はドロドロに溶け、「マグマオーシャン」と呼ばれる状態になりました。

そして、マグマオーシャンの熱がさらに深部の岩石を溶かしていくことで、重い鉄は中心に集まって「核」となり、軽い岩石成分は核の外側に移動して「マントル」になったと考えられています。

この核とマントルなどの地球の内部構造ができ上がることによって、のちのマントル対流や地球を覆う磁場の形成につながっていきます。

また、微惑星に含まれていた水や炭素はマグマの熱によって蒸発し、大気層を形成して地表を覆いました。

その後、惑星の衝突が少なくなり地表が冷えると、大雨が降り注ぎ、海ができ上がったのです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、福島県生まれ。 1983年、東京大学理学部天文学科卒業、1987年、同大学院理学系研究科天文学専門課程博士課程中退。東京大学東京天文台を経て、現在、国立天文台副台長・教授。総合研究大学院大学教授。太陽系天体の 研究のかたわら最新の天文学の成果を講演、執筆などを通してやさしく伝えるなど幅広く活躍している。主な著書は、『最新 惑星入門』(朝日新書)、『面白いほど宇宙がわかる15の言の葉』(小学館101新書)など。


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