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誤飲・誤食・誤用!毎年起こる中毒事故ランキング【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】

Text:船山 信次

誤飲・誤食・誤用!毎年起こる中毒事故ランキング

中毒事故は食中毒がダントツで多い

毒が原因の症状をまとめて「中毒」といい、この状態に陥ってしまう事故が毎年多発しています。最もよく発生しているのは、食事によって引き起こされる食中毒です。

なかでも、いちばん発生件数が多いのが、寄生虫のアニサキスによる食中毒です。アニサキスは生鮮魚介類に寄生していて、お刺身のような生の魚介類を食べて食中毒に陥るケースが多く見られます。下処理の際には、速やかにアニサキスが寄生している内臓を取り除きましょう。またアニサキスは、マイナス20度℃以下で1日以上の冷凍か、しっかりと加熱をすると死滅することも知っておきましょう。

2番目に多いのは、カンピロバクター菌による食中毒です。カンピロバクター菌はニワトリやウシ、ブタなど家畜の多くが保有している菌で、食肉の加熱不足が原因で人間に感染してしまいます。感染の数週間後に、麻痺や呼吸困難の症状があらわれる「ギラン・バレー症候群」を発症することもあります。

3番目は、ノロウイルスによる食中毒です。ノロウイルス感染者が調理したものを食べて感染してしまうケースが近年増加しています。

これらの食中毒は、食材の取り扱いや下処理に気をつけることである程度予防することができます。正しい処理で健康を守りましょう。

令和5年 原因別の食中毒発生件数

総事故数1,021件 1位:アニサキス42.3%、2位:カンピロバクター菌20.7%、3位:ノロウイルス16.0%、植物性自然毒 4.3%、ウエルシュ菌 2.7%、サルモネラ属菌 2.4%、クドア 2.2%、ブドウ球菌 2.0%、不明 2.0%、腸管出血性大腸菌 1.9%、動物性自然毒 1.3%、化学物質 0.8%、その他 0.5%、その他の病原大腸菌 0.3%、腸炎ビブリオ 0.2%、その他の寄生虫 0.2%、セレウス菌 0.2%、その他の細菌 0.1%、その他のウイルス0.1% 出典:厚生労働省『令和5年食中毒発生状況』

食中毒を予防するには?

アニサキス

・生鮮魚介類を調理する際は速やかに内臓を取り除く。
・-20℃以下での冷凍もしくは加熱調理をする。

ノロウイルス

・食材を中心部までしっかり加熱する。
・手洗いと消毒を徹底する。
・食品に直接触れる際は使い捨て手袋を着用する。

カンピロバクター菌

・肉は中心部を75℃以上で1分間以上加熱し、しっかりと中まで火を通す。
・肉用とそれ以外で調理器具を分けて使う。
・肉を扱った調理器具はしっかりと洗浄・殺菌し、自身の手も洗う。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』
監修:船山 信次


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