信用取引を利用するときの注意点
追証はトレーダーへの警告と捉えること!
信用取引ができる銘柄とできない銘柄
信用取引は、どんな銘柄でもトレードできるというわけではありません。トレードできるのは以下の二つに該当する銘柄です。
●信用銘柄
●貸借銘柄
信用銘柄は、信用買いだけができる銘柄です。カラ売りをすることはできません。貸借銘柄は、信用買いと信用売りのどちらもできる銘柄です。東証1部のほとんどの銘柄は、信用銘柄か貸借銘柄のどちらかになっています。
しかし、東証1部以外の市場、とくにジャスダックと東証マザーズでは、信用銘柄は少なく、貸借銘柄にいたっては、ほとんどありません。仕掛けるタイミングを見極める前に、信用取引ができる銘柄なのかを調べる必要があります。
貸借銘柄でもないのに、カラ売りを仕掛けるタイミングを待っていても無駄だからです。銘柄の種類を調べる方法はいくつかあるのですが、QUICKで調べるのがもっとも早いと思います。QUICKでは、個別銘柄の「価格」のページを開くと、企業名の下の部分に、記載されています。
追証が発生したら売買を見なおす
信用取引を利用するときに、もっとも注意しなければならないのが、「追証」です。追証とは、追加委託保証金のことです。通常の委託保証金率は30パーセントです。委託保証金率とは、建玉(たてぎょく)の代金に対して、保証金がどのくらいの比率か、という数値のこと。
たとえば、建玉の合計代金が300万円で、委託保証金が100万円の場合、委託保証金率は33パーセントです。株価は変動するので、思惑(おもわく)とは逆に動いた場合、含み損が発生します。その含み損は、大引け後に計算され、委託保証金から引かれるわけです。
含み損により、委託保証金率が多少低下しても、証券会社は保証金の追加を求めてきません。しかし、「最低でもこれ以上の比率は維持してください」というラインがあります(最低維持率のこと)。たいていは25パーセントです。このラインを割ると、証券会社は委託保証金の追加を求めてきます。これが追証です。
追証が発生したら、翌々日営業日の12時までに保証金を追加して、保証金率を回復させないと、強制的にすべての建玉を決済されてしまいます。追証が発生するということは、トレードテクニックに問題があるということです。テクニックを見直すべきでしょう。追証は、市場が未熟なトレーダーに発する「警告」と捉えるべきです。
信用取引の注意点
売買できる銘柄と追証に注意
信用取引ができるのは信用銘柄と貸借銘柄
信用銘柄
信用買いができる。信用売りはできない。
貸借銘柄
信用買いと信用売りの両方ができる。
委託保証金率の計算方法
委託保証金率=委託保証金÷建玉の合計代金
【例】委託保証金100万円 建玉300万円
100÷300=0.33
委託保証金率は33%
信用銘柄は信用買いしかできないが貸借銘柄は信用買いと信用売りができる!
委託保証金率が25%を割ると追証が発生する!
出典:最新版 これから始める株デイトレード
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公開日:2023.09.16