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緩急のつけどころとは?シンデレラ曲線で読者を物語に引き込む!【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

Text:佐藤ヒロシ

物語には緩急をつけることも重要

物語に緩急をつけることで、 読者の感情を揺さぶり、物語のなかにぐっと引き込むことができます。

P.18~19でストーリーをつくる際は起承転結を考慮すべきと解説しましたが、 それにプラスして、 物語のストーリーに緩急をつけることも忘れてはいけません。

なぜ、 緩急が大切なのか。 それは、 ストーリーにメリハリがつくほど読者は感情を揺さぶられ、 作品に引き込まれるためです。 ストーリーの緩急にあわせて主人公の心情は変動し、 主人公に自身を重ねて読んでいる読者も心を動かされます。 メリハリがあって感情を揺さぶられる作品ほど、 読者は面白いと思うものです。

物語の緩急のつけどころ

シンデレラ曲線

おとぎ話『シンデレラ』の主人公の感情の起伏を表した曲線で、ストーリーの構成を考える際によく利用される。縦軸が感情の上がり下がり、横軸がストーリー進行。

シンデレラ曲線【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

①物語がはじまり、感情が高ぶる出来事が発生。
②クライマックス直前、よくない出来事が起こって落ち込む。
③負の状況を一転する出来事が起こり、クライマックスへ。

基本的な緩急のつけどころとしては、 物語のはじまりは落ち着いた状態で、 「起」 の最後、 「承」 に移るあたりで主人公の感情が高ぶる出来事・事件を設けます。その後よくない出来事が起こりどん底まで降下、 そこから 「転」 の最後で状況が逆転する出来事が起こって一気に上昇。 ここが一番盛り上がる、 いわゆるクライマックスです。 そしてその流れのまま 「結」 を迎えます。

緩急を置く場所はわかったとして、 実際にどう緩急をつけるかです。 ひとつキーワードになるのが 「意外性」 になります。 助からないと思ったキャラクターが生きていた、 負けるとしか思えない戦いで逆転勝利したなど、 読者が思いもよらない展開にすることで、 自然と緩急がつきます。 さらに、 絶望的な状況からその後どうなったのかをすぐに明かすのではなく、 間にシーンをはさんで読者を焦らすと、より読者の没入感がアップします。

また、 意外性のある展開にするには、 伏線を使う手もあります。 伏線というのは、 「起」 や 「承」 で問題解決に必要な手がかりを描写すること。 あくまでさりげなく、 読者にそれが手がかりだと気づかせないように仕込むことができれば、 読者を驚かせ、 気を引く仕掛けのひとつになります。

【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ

【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ

マンガを描く上で、アイデアやイメージを形にするのは難しく、面白さを伝えるためにはネームが必要です。ネームは、コマ割りや構図、キャラクターの配置などを具体的に示す設計図であり、作品の完成度を高めるために何度も修正を繰り返します。本書では、ネームの作り方と素晴らしい作品になるためのポイントを解説し、実際のネーム添削も紹介。ネームを描くことが、面白いマンガを作成する第一歩です。マンガネームの書き方に悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。

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