物語のゴールは具体的に設定する
ゴールがはっきりしていると、読者にとって読みやすく、面白さを理解しやすい物語になるでしょう。
物語の主人公には、何かしらの目的がある場合がほとんどです。そして、その目的の達成に向かってストーリーが進んでいき、模索しながらも目的を無事達成して物語は終わりを迎えます。
この最終的に達成したい目的、つまり物語のゴールは、最初のうちは漠然としていても構いません。たとえば、主人公が謎を解き明かすことがゴールだとして、物語がはじまったばかりのところでは、謎を解く手がかりをほぼ何もつかんでいない状況でしょう。謎を解こうとさえ、まだ考えていない段階かもしれません。しかし、この漠然とした、抽象的な状態から、ストーリーの進行に従って徐々にゴールが具体的に見えてくるように描くことが大切です。
これが、十分な手がかりを掴めないままであったり、謎を解くことができないままに何となく終わったりしてしまうと、読者はなんだか腑に落ちないと感じる作品になってしまいます。つまり、ゴールはちゃんと明確にしておく必要があるのです。
最初は何の手がかりも持っていなかった主人公が、情報をどんどん集めていき、敵対勢力が阻止しようと動いて窮地に立たされるも、最終的には確実な手がかりを掴んで謎を解き明かす——。このように、情報を集めていくごとに謎を解き明かすというゴールが具体的になっていき、はっきりしたゴール、目的の達成を迎える物語になっていることが重要です。ゴールがあれば、作品を読者が理解しやすく受け入れやすい、面白いと感じるものになります。
はっきりとした目的のない主人公を描いてしまえば、ストーリーが曖昧に進み、描き手としても行き詰ってしまいます。具体的なゴールを設定し、徐々にそれに近づいていく構成を意識して創作しましょう。
ゴールがはっきりすると面白い作品に
主人公→ゴールに対して達成したい!→読者はその道筋を応援→ゴール
主人公が達成したい目的、つまり最終的に迎える物語のゴールが躯体的であると、物語の流れがわかりやすくなる。それに加えて、読者が主人公に感情移入したり先を読み進めたいと感じたりという効果が生まれやすくなる。
主人公→やりたいことがない…→主人公は何がしたいのか不明→ゴール?
ゴールがはっきりしていないと、どう話が進んでもなんだか腑に落ちない作品として終わってしまう。読者は目的を持たない主人公を応援したくはならないし、どんな物語なのかがわからないままになる。
ゴールは漠然としていても、徐々に具体的になっていくのが筋
序盤→ヒントを得る→中盤(ゴール?)→確証を得る→終盤(ゴール)
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ
【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ
マンガを描く上で、アイデアやイメージを形にするのは難しく、面白さを伝えるためにはネームが必要です。ネームは、コマ割りや構図、キャラクターの配置などを具体的に示す設計図であり、作品の完成度を高めるために何度も修正を繰り返します。本書では、ネームの作り方と素晴らしい作品になるためのポイントを解説し、実際のネーム添削も紹介。ネームを描くことが、面白いマンガを作成する第一歩です。マンガネームの書き方に悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.06.13