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「思春期の特徴」だと思って放置してしまうことも?社会不安障害とは【心の不調がみるみるよくなる本】

Text:ゆうきゆう

主な不安障害の種類 ② 社会不安障害

自分ひとりで悩まず周囲に相談を

多くの人の前で話したり、知らない人と会話や食事をしたりするときは誰でも緊張しますし、そんな予定があると「失敗するのではないか」「うまく会話できないのではないか」「嫌われるのではないか」と、直前まで不安になることもあるでしょう。しかし社会生活を行ううえで、こうした状況のすべてを避けるわけにはいかず、多くの人は機会を繰り返しながら自分なりのやり方を身につけていきます。

とはいえ一部の人は、人とかかわることに必要以上の不安や恐怖を感じ、動悸や発汗、震え、吐き気などの身体症状、頭が真っ白になるような精神症状が起こります。多くの場合、過去にネガティブな対人経験をしたことが引き金になるようです。不安がエスカレートすると、人とかかわることをかたくなに避けたり、大きな苦痛を感じたりするようになります。これが「社会不安障害」で、かつては「対人恐怖症」とも呼ばれていました。

社会不安障害は10代半ばから20代の頃に発症する例が多く見られます。特に他人の目が気になったり、家族や友人とぶつかったりすることも多い時期なので、周囲の人だけでなく本人も、いわゆる「思春期の特徴」だと思いこんでしまう場合があります。そのまま長期間放置すると、うつ病や引きこもりなどを誘発する可能性もあるため、早期に気づき、専門家に相談することが重要です。

「完璧主義者」は要注意

社会不安障害の人は、元来は上昇志向が強く、責任感もあり、自分に与えられた役割を完璧にこなしたいと思っています。そこには「他人から自分がどう見られているか」という意識が強くかかわっていて、「失敗したくない」「恥をかきたくない」という思いもあります。極度の緊張から汗をかいたり、震えたりすることも、知られたくないので隠そうとします。例えば仕事のプレゼンなどで、いつもこのような症状が出る場合、必要なのは発表の方法や話し方の改善ではなく、緊張を緩和することです。心当たりがある人は、日頃から信頼できる友人や同僚に自分の状態を正直に話しておいて、症状をマイルドにする配慮や、声かけをしてもらうとよいでしょう。

センサーの再調整を続けてみる

他にも、社会不安障害の症状が出る場面があります。例えば、電話です。相手の声に恐怖を感じるだけでなく、周囲に自分の話を聞かれることも怖くなります。「書痙」は人前で文字を書くときに震えてしまう症状で、最近はパソコンの操作でも同じことが起こるといわれます。他にも、汗が出ることや、顔が赤くなることを他人に知られたくないという恐怖を感じている人もいます。基本は、いずれも自分に対する評価や悪意を過剰に意識している状態です。実際は何もいわれていないのに、自分の中で嫌われる、笑われる、不快に思われると思い込んでいるのがこの病気の特徴といえます。
震える、汗が出る、顔が赤くなるといった身体反応は、前にも述べたとおり、警報装置のサイレンのようなものです。その音は、自分にはとても大きく鳴っているように感じますが、実は他人にはほとんど気づかれていません。また、障害を緩和するために必要なのは、サイレン音を消すことではなく、センサーを修理し、適したときにサイレンを鳴らすことなので、もし身体反応が出たとしても慌てずに、もう一度センサーを調整してみようという程度に、落ち着いて考えたほうがよいでしょう。

 

【出典】『心の不調がみるみるよくなる本』ゆうきゆう:監修

【書誌情報】
『心の不調がみるみるよくなる本』
ゆうきゆう:監修


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現代増加の一途をたどる「不安障害」。
不安障害とは払拭できないほどの不安や恐怖の感情が過剰に付きまとい、日常生活に支障をきたすような状態になることです。
一概に不安障害といってもさまざまな症状があり、突然理由もなく激しい不安に襲われて発作などを引き起こす「パニック障害」や、謎の強迫観念にとらわれて意味のない行為を繰り返す「強迫性障害」、若者に多く人前にでると異常に緊張して体調を崩す「社交不安障害」などタイプは異なります。

本書ではそのような不安から引き起こされる心の不調について、症状例をそえて専門医がわかりやすく解説。自分の「不安障害度」を簡単にチェックできる診断テストも掲載。病気を自覚し、その症状にあわせた治療を受けられるようサポートする一冊です。

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