身分証の返却と解約手続き
身分証返却と各種手続き
故人の健康保険証、国民健康被保険者証、後期高齢者医療被保険者証、介護保険被保険証は、それぞれの市町役場にすみやかに返却します。
同時に、埋葬料(葬祭費)を受け取る手説きや、年金受給停止の手続き、遺族年金の請求手続きなども行うとよいでしょう。
また、携帯電話、クレジットカード、スポーツクラブ、サブスクなど、会費や使用料が発生するものは、できるだけ早く解約します。
国民健康保険への加入手続き
故人が健康保険加入者の場合、保険は勤務先に返却します。なお被扶養家族は死亡日の翌日から被扶養者の資格を失ってしまうので、なるべく早く国民健康保険に加入する必要があります。
国民健康保険加入の手続きは、死亡日の翌日から14日以内に行います。手続きが遅れると、医療費が自己負担となるだけでなく、さかのぼって保険料の支払いを求められることがあります。
返却・解約
後期高齢者医療被保険者証
故人が後期高齢者医療の被保険者の場合は、すみやかに被保険者証を市区町村の役場に返却し、資格喪失届を提出します。保険料の精算(支払いまたは還付)は相続人が行います。
必要書類
- 資格喪失届
- 後期高齢者医療被保険者証
介護保険被保険者証
死後すみやかに介護保険被保険証を市区町村役場の窓口に返却し、資格喪失届を提出します。介護保険料は月割りで再計算され、未納保険料がある場合は相続人が納付し、納めすぎの場合は相続人に還付されます。
必要書類
- 資格喪失届
- 介護保険被保険者証
運転免許証
更新手続きをしなければ自動的に無効となりますが、原則として警察(公安委員会)に返却の手続きを行うことになっています。期限はありませんが、早めに行いましょう。
必要書類
- 運転免許証
- 死亡診断書または死亡の記載がある戸籍謄本
パスポート
住民票がある都道府県の旅券窓口(パスポートセンター)に返却します。希望すれば使用できないように処理をして、返してもらうこともできます。旅券法の一部改正により、市区町村の役場が窓口となる自治体もあります。
クレジットカード・会員証
クレジットカードや各種会員証は、発行元に連絡をして解約・退会の手続きを行います。そのままにしておくと、年会費の請求が来る場合もあるので、早めに手続きをしましょう。
その他
印鑑登録証、マイナンバーカード、福祉乗車証(シルバーパスなど)は、市区町村役場にすみやかに返却します。会社の身分証明書、調理師免許証も発行元に返却しましょう。
【出典】『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』著:奥田 周年
【書籍情報】
『増補改訂版 身内が亡くなった時の手続きハンドブック』
著:奥田 周年
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公開日:2024.09.28