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【西岡剛単独インタビュー】NPB復帰期限は”気にならない”

Text:高村麻代

好調の栃木ゴールデンブレーブス

なかなか梅雨明けしなかったため、ルートインBCリーグは7月に入っても引き続き雨天中止が多く、栃木ゴールデンブレーブスも例外なく雨によるスケジュール変更が相次いでいました。
BCリーグは平均すると週2〜3試合の開催のため、先発投手陣は一度登板が無くなると最大で10日程度空いてしまうこともあるとのこと。
その間に、トレーナーとトレーニングの負荷を調整したり、中継ぎで登板したりして試合感覚を維持しているようです。これも屋外スポーツならでは、そしてドーム球場を持たないBCリーグならではの苦労と言えるかもしれません。

7月28日現在、東地区の順位は、1位 栃木、2位 群馬、3位 新潟。前期優勝の群馬と1ゲーム差ではありますが、首位をキープしています。
後期は、寺内崇幸監督の言葉通り「勝ちに行くオーダー」に変わりました。
チームのベテランである飯原誉史選手や西岡剛選手が毎回スタメンに名を連ねチームの打線を引っ張る一方で、新加入の佐藤翔選手や怪我から復帰した内山翔太選手などの活躍が光り、若手はポジション争いによる良い緊張感が生まれています。

今回は、栃木のクールでかっこいい兄貴・西岡剛選手に「若手選手に伝えたいこと」をテーマにお話を聞きました。
以前から「直接伝えるよりも、見て学んでもらいたい」と発言してきた西岡選手。ほとんどが20代前半の若手中心のチームにあって、数少ない30代プレーヤーの西岡選手ですが、時折グラウンドの内外で見せる表情は野球少年そのもの。
そうかと思うと、試合中はどんな場面でも冷静で淡々としているイメージもあります。西岡流アドバイスや健康管理について、これまでの若手選手への取材の中で聞いた「剛さんエピソード」と合わせてご紹介します。

―後期に入ってやるべきこととは?

選手というのは、2月、3月からモチベーションを上げてきて、4月はそのままキープできるけど、その後は結果がどうなるか、それで徐々に心が折れてくるんです。
結果が良くても悪くても、やるべきことをきちんとやっている選手もいますし、そうじゃない選手も。そこで差がでてくるんじゃないかと思います。
試合中も同じで、どんな状況でも試合終了まではやるべきことをやるだけです。

―チームの状況、特に若手選手の様子は?

栃木はベンチも盛り上がって雰囲気は良いです。ただ、日本語の楽しむって難しいですよね。
ただ笑顔でやっていればいいというわけではない。打線が盛り上がって、そのままフワフワして守備に着いたら、何か起こる。切り替えないと。

先日の試合でも、こちら(ブレーブス)が1点ビハインドで攻撃の場面で相手は勝ったようなムードの中、守備にエラーが出て、そこから逆転することができた。
結果論にはなるけど、もしかしたら(相手チームに)気のゆるみがあったのかもしれないですよね。
喜怒哀楽を出してはいけないわけではないんです。僕も良いプレーをすれば素直に喜ぶし、三振をすれば悔しいと思う。けど、それを大げさに表に出さない、というか引きずらないこと。
チームの調子が良ければみんなで一緒に盛り上がるのは当然のことだけど、ただそこに隙が生まれてしまうことがある。気持ちのゆるみ、油断に繋がらないようにしなければいけないとベンチにいて改めて思っています。

西岡選手エピソード①高野勇太選手(外野手)の話
「剛さんは、見逃し三振でも、今のボールじゃないかというようなジェスチャーもせず、悔しがることもなく、淡々とベンチに帰ってくる。自分はそういう時に態度に出やすいので、剛さんの冷静な姿勢を見習いたいと思います。」

自分で考えることが重要

―若手へのアドバイスは?

コーチという立場ではないので、はっきりと指導することは無いです。ヒントを渡して気づいてもらうほうがいい。
何故なら、誰かにこうしろと言われてやっても残らないんです。自分で考えることが必要。だから、気になることはたまに言いますけど、そこから自分で気づいた方が良いんです。
それに若いうちは色々やって失敗してもいいと思うんですよ。失敗を失敗と思わない。僕も色々あって色々言われましたけど、それも全部、「経験できてラッキー」くらいに思っています。
勢いがある時は何でもトライできる。その分、スーパープレーもあれば、単純なミスもある。それを経験しながら、平均値が上がっていくんじゃないかと思います。

ただNPBは、10代から20代前半の粗削りな若手から、30代後半、40代までのベテランががっちりかみ合っているのでそれもいいんです。
でも、BCリーグは20代前半の同じような世代が集まってきているので、そこでどうチーム作りをしていくかというのが首脳陣は難しいところではないかと思います。
僕は選手という立場でやれることをやっています。

西岡選手エピソード②野崎新矢選手(内野手)
打撃がうまくいなかった時期に素振りをしていたら剛さんから「そのままやればええやん」とさりげなく言われました。よくよく考えたら、自分は素振りの感じと試合の打席でフォームが違うことに気づきました。はっきり言われたわけじゃないですけど、それで良い感覚がつかめました。

―ご自身の状態は?

これから暑くなるので、ケアが大事になります。今年(7月27日で)35歳になるので、若い選手たちとの体力差は感じます。若い頃のようにリカバリーできないことも多い。
暑くなってくればなおさらですよね。そのために気を付けているのは、走ること。チームのアップの前にしっかり走る事で動きやすい身体を作ります。
日頃の生活では、体の中からケアするという意味で、米麹を毎日朝晩食べています。嫁が作ってくれるので。納豆とかもずくも必ず摂るようにしています。
これは夏だけのことではないですが、体の中に入れるもの全てが自分の体を作っているわけですから、そう考えたら食べるものも変わってきますよね。
グラウンドで練習を必死に頑張ることも大事だけど、ユニフォームを脱いだ後のことも大事。なので、若い選手たちの試合前の食事を見ていると気になることもあります。
もちろん、ジャンクなものを食べてはいけないとは言わないけど、例えば、コンビニで買うとしてもチキン(蒸し鶏)に替えてみるとか。食べる順番を変えるだけでも、体への吸収が変わってきます。
空腹で食べるものは体に吸収されやすいので、栄養のあるものを取るようにして、添加物が入っているようなものを食べる時はそのあとに食べるっていうこともいいですよね。
ただ、ずっと我慢ばかりだとストレスが溜まるので、食べてもいい日、チートデーって言いますけど、そういうのを決めて食べるとか。
僕も若いころはジャンクなものも食べていましたけど、だんだんに意識が変わりました。
今はほとんど食べないので、添加物の多いものを食べると、舌がビリビリします。
とはいえ、僕は一切料理しないので家族のサポートがあってこそですし、手軽に手に入るもののほうが安いので、ここにいる選手の(経済)事情を考えたら仕方のないこともありますけど、少しでも気にかけてくれたらいいなと思います。

西岡選手エピソード③内山翔太選手(内野手)
自分がケガをしていた時期に、西岡さんも怪我が多かったということで色々話を聞きました。西岡さんは早めに来てジョギングしているんですが、それはチーム練習の前に走り終わっていれば、アップが終わった状態でチームのランニングに入れるので、単なるアップでなくトレーニングとして走れるということ。自分も今はそうするようにしています。

NPBを目指すのは当然。けど・・・

―NPBの復帰の期限が迫っていますが…?

まったく気にならない。全然気にしてないです。
僕は常々言っているように、野球が好き。それだけです。やるからにはトップのカテゴリーであるNPBを目指すのは当然のこと。
けど、それだけが全てではないですよね。野球をやめる時は自分で決めたいと思っています。人生の最後に自分が納得できるように。
周りの人は色々いいます。そろそろ若い人に道を譲ってやれ、家族のために次の道を考えろ、とか。
でも野球だけでなく人生も、自分が最後に納得できるかどうかだと思うんです。
なので、今の自分の状態ではあれば、まだまだ野球は出来ると思っているし、必要としてもらえるところがあるのなら野球を続けます。
まあ、(NPBに関わらず)声がかからなければ、できないですけどね。

―後期優勝への意気込みを

打率とかホームランとか、(自分の成績の)数字は気にならないです。
ただ、勝つことにはこだわりたい。後期は優勝するということ。
勝負の世界ですから、勝つことが大切。いまいい形で勝っているからチームの雰囲気も良いです。
このまま後期優勝に向かって、できることをやって寺内監督を胴上げしたいと思っています。


※写真は著者撮影