がつプロ変化球大事典〜カーブ編〜
変化の仕方から握り、歴史、使い手で全て教えます!
知ってるようで意外と知らない変化球のウンチクを「がっつり」掘り下げる。今回は一番古い変化球であり、一番最初に覚える変化球であり一番難しい変化球と言われるカーブにスポットライトを当ててみる!
『カーブ』とは何なのか?
『トップスピンがかかり曲がりながら鋭く落ちる』変化球
カーブは古典的な変化球であるため、広義では横回転によって利き手側から反対側へと曲がる球を意味し、スライダーやカットボールまで「カーブ系」と大別される。現在カーブと言えば、斜めのスピン(スライダー回転十トップスピン)がかかった球種のこと。ボールの動きは、ふわっと一度浮き上がってから、鋭く落ちながら、利き手側から反対側へ横方向にも曲がる。ボールの回転と同様に斜めに動くのだ。昔は落差の大きいものを特に「ドロップ」と呼んだが、現在はドロップカーブまたは単にカーブと言う。カーブには数々の効果がある。まず球速が遅いため、直球とのコンビネーションにより打者のタイミングを外す。若いカウントであれば、ミスショットしたくないという打者心理もあり、ほとんどの場合手を出さず、カウントを稼げる。
もちろん意表をついた決め球としても有効。またカーブはパワーがいらないため、省エネになる。特に長いイニングを投げたい先発投手にとっては、カーブを挟みながら投球することで一息つける。ストレートの投球フォームにバランスの悪さを感じた時に、カーブを投げることで修正できると主張する投手も多い。カーブは下半身をどっしりと安定させないとボールが上がらないので、突っ込みすぎを矯正する効果があるということだ。副産物として、相手打者の打撃フォームを崩すというのもある。打者は軌道の高低差に対応しようして、投手寄りの肩やアゴを上げてボールを見てしまう。それによってバットスイングの軌道が狂うのだ。投げ方の特徴は、手放すタイミングが早い、腕をひねりながら振る、親指と人差し指(または中指)で逆C字型(右投手の場合)を作り、間からスポッと抜きっつ、縫い目を掻いてトップスピンをかけるなどがある。スライダーとの間に明確な境目はなく、中間が存在する。その場合、投げる本人がカーブと言えばカーブということになっている。
カーブの握り方
リリースの瞬間は、親指と人差し指の間からスポッと抜きながら縫い目にかけた中指で切るようにしてスピンをかける。
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公開日:2020.07.23