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落差鋭く「2階から落ちてくる」カーブと評された!金田正一

がつプロ変化球大事典〜カーブ編〜

変化の仕方から握り、歴史、使い手で全て教えます!

知ってるようで意外と知らない変化球のウンチクを「がっつり」掘り下げる。今回は一番古い変化球であり、一番最初に覚える変化球であり一番難しい変化球と言われるカーブにスポットライトを当ててみる!

『カーブ』の歴史と現在地

『最古の変化球も一時は激減1周回って復活の気配』

カーブの歴史は古い。ベースボールのルールが定まる以前から、曲がるボールは研究されていた。当時はまだ投手が打ちゃすい球を下から投げてやっていた時代なので、キャッチボールや送球の時に偶然、変化球が生まれたのかもしれない。日本では野球が渡来して間もない188O 年頃にはカーブを投げた人がいたと伝スられている。ちなみにアメリカで打たせまいと上手投げで投げる、いわゆる「投球」が解禁になったのは1884年のことだ。以後、およそ100年間、常に変化球の代表は力—ブだった。先述のとおり効果が大きく、「初めて覚える変化球」として重宝されてきたからだ。直球と力—ブの2つだけでプロで活躍する投手も珍しくなかった。まずカーブがあり、そこからシュー卜、フォークと球種を増やしていくのがよくあるコースだった。NPBの代表的なカーブの使い手は沢村栄治、金田正一、権藤正利、堀内恒夫、外木場義郎、星野伸之、桑田


真澄、佐々岡真司、今中慎二ら枚挙にいとまがない。しかしカーブは難しい球種だ。直球とはまったく違う腕の使い方が必要で人によってはコツが掴めず習得をあきらめる。また打撃技術の進歩により、直球とカーブだけでは、よほどの完成度がなければ組み立てが難しくなっていた。その一方、握りだけ変又て、直球と同じように投げられる変化球が流行った。スライダー、フォーク、シュート、チェンジアップなどが主流になる。さらにカットボ—ルやツーシーム、SFFなど、より直球に近い変化球も生まれた。習得しやすく、直球との錯覚を狙をる点で使い勝手も良かった。そうなると第一の変化球がカーブである必然性はない。たとえ持ち球にカーブがあっても、試合では使わない投手も増える。こうしてカーブの使い手は次第に減っていっただった。しかし近年、1周回ってまたカーブの希少価値が上がりつつある。五十嵐亮太、岸孝之、撮津正、前田健太、メッセンジャー、武田翔太ら、カーブを決め球にも使う投手が少しずつ増え、同時に打者の目先を変えるカウント球にカーブを使う投手も増えている。一時の「絶滅危惧種」から脱し、復活の気配が感じられる。

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