SPORTS COLUMN
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吉川尚輝が見せた「一塁へのヘッドスライディング」は危険だからNGか?

プロスポーツ選手は「素人ができない危険回避」も技術のうち

「1塁へは駆け抜けたほうが良い」野球少年は昔からそう教わってきた。スピード的なこともあるが、ケガをするリスクも考慮しての教えだと理解する。

7月30日、0対0の6回裏、ツーアウト3塁から吉川尚輝がセカンドへの内野ゴロでヘッドスライディングを試みた。リプレイ検証にもなる際どいタイミングだったが、セーフとなり先取点をもぎ取った。

この1点、巨人ファンにとって「嬉しかった」だろうか? いや、吉川尚輝の過去を知るファンには「ハラハラした」が、先に来た感情なのではないか。

2018年8月1日、当時セカンドのレギュラーをほぼ手中に収め、坂本勇人の離脱時にはショートを任されるまでになっていた吉川尚輝は1塁へのヘッドスライディングで左手首を骨折。その後の試合出場は無かった。

そのツラい経験は本人が一番分かっているはずだ。それでも、同じようにヘッドスライディングをした。

「危険なことはしないほうが良い」アマチュアなら確かにそうだろう。野球で言えば、ボールが固いと危険なので軟式野球があるくらいだ。

しかし、安心安全な場所に「ハラハラした」は生まれない。しかし、ラグビーもF1もボクシングも「危険と隣り合わせ」だから、見ているファンは興奮して楽しい。

そして、そのプレーの中で訪れる危険を回避するのもプロの技術だ。

吉川尚輝は昨日のヘッドスライディングでケガをしなかった。ヘッドスライディングの技術を上げたのだ。そのことにより我々を「ハラハラさせてくれた」のだ。本人にそこまでの意識があるかは分からないが、我々ファンにはそう好意的に受け取る自由はある。