結果を残してるから「セオリー破り」をする権利が発生した原辰徳監督
10日の中日戦。1点ビハインドの8回表、ノーアウト1塁・2塁で吉川尚輝。誰もが送りバントだと思っていたのではないか。
野球に限らず戦術には“セオリー”というものがあり、ここではバントするのがセオリーだからだ。日本語にすると“定石”。囲碁や将棋では“最善と決まった打ち方、確率の最も良い方法”を意味する。
しかし、“セオリー破り”をした結果、吉川尚輝は3塁打を打って逆転という最高の結果になった。
吉川尚輝の打率は.265、得点圏打率でも少し上がるだけで.275。決して高打率ではない。
もし吉川尚輝が凡退していたら、作戦ミスと原辰徳監督を叩いたマスコミが必ずいたはずだ。
中日バッテリーも、バントするとピッチャー前かファースト前に転がり3塁をアウトにできる可能性が高まる内角のストレートを投げたと思われる。結果、ヒッテイングには甘い球になった。
話は逸れるが、藤井聡太棋士は「セオリー破り」の戦略でベテランの大物棋士に勝っているようだ。
原辰徳監督も藤井総太棋士も「セオリー通り」で勝つレベルを超えた存在になっているということだろう。
負け越しているチーム、まだ結果の出せていない棋士が「セオリー破り」をして負けるようなことがあれば、周りは「セオリーから学んでこい」と騒ぐはずだ。すでに結果を出しているから「セオリーを破る権利がある」と言えるかもしれない。
そして、そこには輝かしい記録が付いてくる。
藤井総太棋士はすでに最年少記録を作った。
原辰徳監督も川上哲治が持つ巨人監督通算勝利記録を更新する。
公開日:2020.09.11