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手薄な戦力ながらリーグ2位に導いた井口監督がロッテで徹底した「四球は安打と一緒」の考え方

Text:落合初春

元メジャーリーガー監督に求められるものとは! ?

ロッテ・井口監督、ヤクルト・高津監督に続き、楽天・石井一久GMが監督に就任。メジャーの風が日本にも吹き込む!?

イチローを皮切りに次々と日本人メジャーリーガーが誕生した2000年代。そして時は過ぎ、2021年。メジャーを経験した名選手たちが指導者としてグラウンドに戻り、「新たな風」が吹き始めている。

手薄な戦力ながら、チームを2位に導いた井口監督

 石井監督の手腕はまだ分からないが、一足先にメジャー経験監督として結果を残したのはロッテ・井口資仁監督。昨季は手薄な戦力ながら、チームを2位に導いた。安田尚憲を中軸で固定起用した胆力が話題になったが、その他にも芯の通った打線作りをしている。

それを象徴するのが、「粘り強い戦い」だ。抽象的なワードだが、実はデータにもはっきりと表れている。

【2017年】
2割9分7厘⑥
387⑥
【2018年】
3割2分4厘④
474③
【2019年】
3割3分③
505③
【2020年】
3割2分9厘③
491①

この数字はチーム出塁率と四球を選んだ数。丸数字はリーグ内での順位である。監督に就任した2018年以降、絶望的だった出塁率が改善しているのは明白だ。日本ではまだまだ打率信仰が強いが、2000年代初頭にメジャーでアスレチックスが低予算ながら「出塁率重視」のチームで躍進して以降、一貫性を持たせたチーム作りが流行した。

「四球は安打と一緒」の考え方をチームで徹底してきた井口監督

メジャーではもはや数字の戦争が行われている。打球速度158キロ以上、打球角度26~30度で打ち出せば好成績に結びつくことからバレルゾーンの指標が生まれ、「フライボール革命」に。

今度はバレルゾーン率が低いカーブに注目が集まり、カーブボーラーを集める球団が増えるなど、日本の一歩先を行っている。NPBでは規模的に難しいかもしれないが、チームのベクトルを決定し、トレードやドラフトに反映させることはできる。「四球は安打と一緒」の考え方をチームで徹底してきた井口監督は第一歩を踏み出している。

吉井理人投手コーチによる巧みなブルペン管理

メジャー経験のある投手が口を揃えるのが、出番の分かりやすさ、そして肩作りの短さだ。ロッテでは、元メジャーリーガーの吉井理人投手コーチが巧みなブルペン管理を見せている。3連投なし、1週間の登板数も3試合までが原則。先発は100球を目途に6~7回を投げるのがデフォルトであり、与えられた使命だった。割り切った起用法で場当たり的な継投をせず、投手陣の疲労を軽減する。メジャー流の継投術は選手層をカバーする武器になった。

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