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通算967三振を奪った潮崎哲也の2種類の魔球『シンカー』

Text:西沢 直

プロ野球界『伝説の魔球』列伝

プロもうらやむ伝家の宝刀!この球を投げられたら絶対に打てない、打たれない。あまりの変化にバットが虚しく空を切る。人間離れした変化球。リスペクトをこめて、人はそれを「魔球」と呼ぶ…。

2種類のシンカーが

西武黄金期を支えた

●潮崎哲也/西武ライオンズ
【魔球その6:シンカー】

野茂英雄や与田剛とともに社会人3羽ガラスと呼ばれ、西武にドラフト1位で入団した潮崎哲也は、ルーキーイヤーの90年、オリックスのブルーサンダー打線を相手に8連続三振を奪ってファンの度肝を抜いた。名刺代わりの奪三振ショーだった。決め球はシンカー。投手の利き腕方向に曲がりながら落ちる球である。シンカー投手といえば、潮崎哲也の他に山田久志や高津臣吾らが有名だが、その落差とキレの良さにおいて、潮崎哲也に並ぶ投手はいない。平均して50センチ前後は沈むという。だからこそ潮崎哲也のシンカーだけが魔球と呼ばれたのだ。潮崎哲也には2種類のシンカーがあった。100キロ前後の遅いシンカーと120キロ台の高速シンカーだ。要するに緩急を使い分けていたのだ。もっとも、当初は遅いシンカーしかなかった。高速シンカーを覚えたのはプロ入り8年後だ。前者は中指と薬指にはさんだ球を抜くイメージで、後者は手の甲をかぶせるようにして回転を与えていたという。西武の黄金期を支えた魔球は、通算967の三振を奪った。やはり、シンカーといえば潮崎哲也だ。

 

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