SPORTS COLUMN
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南ア戦を受けての勝負の2戦目

Text:向風見也

大敗するも「見えた」決勝Tへの光明

日本 10 - 45 スコットランド

試合を決めたのは、後半23分のスコアだったか。攻め込んで、攻め込んで、攻め込んだ先の敵陣22メートル線付近。日本代表センターの田村優がパスをインターセプトされた。

スコットランド代表ウイングのトミー・シーモアがそのまま駆け抜け、31対10とリードを広げた。以後は、スクラムハーフのグレイグ・レイドロー主将らがジャパンの守備陣形の穴をえぐる。加点また加点。45対10。

15年9月23日、グロスターはキングスホルムスタジアムである。開催地の近隣地域のスコットランド代表は、初戦の相手であるジャパンの攻守の傾向を把握していた。

対するフランカーのリーチ マイケル主将は、今大会唯一の敗戦をこう振り返った。「レフリーも……プレッシャーがかかっていたと思う」

8人一体型のスクラムも、序盤はしばしコラプシング(塊を故意に崩す反則)を取られた。やや押された後、地面の上に叩きつけられた。リーチ主将は、相手の力を認めつつ「向こうのプロップ(スクラム最前列)は、ずるがしこいです」とこぼした。

大敗するも「見えた」決勝Tへの光明

大敗の直後。出場のなかったスタンドオフの廣瀬俊朗前主将は、フルバックの五郎丸歩副将やセンターの立川理道とともにこんな話をした。「準備って、大事だな」

現地入り以来は南アフリカ代表戦対策に時間を割き、中3日でスコットランド代表を迎えていた。相手の分析結果を把握しようにも、選手は大金星への祝賀メールへの対応に時間を取られた。インターセプトされた場面も、ウイングの松島幸太朗曰く「きょうの外へ回すというプランに引っ張られすぎた」。
勝利への「プラン」は立てたが、あの時に相手の飛び出しを読んで「プラン」に「引っ張られない」ところまでは昇華しきれなかった。もちろん一部選手の「パスが通っていればトライだった」との証言にも、一理はある。「準備」は体調管理も指す。フッカーの堀江翔太副将も、大会中こそ「言い訳にならない」としていたが、短い試合間隔に伴う疲れは「あった」と認めている。

過去の遠征では中3日で試合を組むなど、本番への「準備」はしていた。
が、ロックの真壁伸弥は……。「初戦の後は興奮して眠れなかった。(遠征時と違って)十分なリカバリー(休息)ができなかった」

想定外の事態は、絶対にある。ジャパンはそんな教訓を得た。

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