SPORTS COLUMN
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2019へ繋ぐ大会3勝目

Text:向風見也

2019年へ繋がるW杯3勝

日本 28 - 18 アメリカ

選手たちの成熟度は、本物か。15年10月11日、グロスターはキングスホルム・スタジアムでのアメリカ代表では、まさにそれが試された。

日本代表はそれまでに2勝を挙げながら、勝ち点の関係で予選プールBでの敗退が試合前日に決まっていた。さらに先発メンバーには、今大会初出場のバックスが2人並んだ。クレイグ・ウィングがインサイドセンターに入り、ここまで活躍していたインサイドセンターの立川理道が不慣れなアウトサイドセンターに移動。ウイングではサモア代表戦でトライを決めた山田章仁が外れ、ジョーンズヘッドコーチが「直感」で抜擢した藤田慶和が入った。

試合への動機付けが難しいうえ、連携面に不安がなくもない。そんな状態でも、「地力があった」と語るのは立川である。相手に点を取られてもすぐに取り返し、突き放した。28対18。プレー中は、選手間での話し合いで軌道修正を図った。フッカーの堀江翔太副将はこうだ。

「ミスがあった時、いいプレーまで悪く言うことはせず、個人のミスか、チームのミスかを見極めていた」

4年後に必ず繋がる“有終”の大会3勝戦前、チームにどんな声をかけるか迷っていたフランカーのリーチマイケル主将は、囲み取材を受けるなかで「アメリカ代表戦が今大会の予選の最後の試合」だと知った。
「へぇ…そうなんですか」

8強入りが阻まれたのち、「予選プール最後の試合で、日本代表が強いところを見せよう」と皆に伝えることとなる。勝利後は、「この試合のモチベーションは、自分たちのプライドでした」と振り返っていた。堀江副将が述懐した試合中の軌道修正は、終盤、如実に表れた。

25対11と、ほぼ勝利を手中に収めていた後半30分。自陣で球を回されて25対18と差を詰められる。ここでリーチ主将ら舵取り役は、「ディフェンスの時、フォワードはもっと順目(スペースの広い側)へ走ろう」と端的に言った。

途中出場していたプロップの三上正貴は、心強さを感じた。「そこで『気持ち!』というのではなく、修正点が出てきたのでわかりやすかったです。実際、フォワードがポイント(接点)に寄り過ぎていたので」

後半36分、加点。逃げ切った。ノーサイド。円陣を組んだリーチ主将は「帰ってからは、皆が日本代表に入りたくなるようにしていこう」。その時に終えたばかりの快進撃を、早くも相対化していた。