プロ野球の賞の一つ『カムバック賞』とは?

苦労を乗り越えた選手の姿にファンは感動する!
10月1日、横浜スタジアムで行われた横浜DeNAベイスターズvs東京ヤクルトスワローズとの一戦、ヤクルトの歳内宏明が7回を被安打5・無失点に抑え、先月NPBに復帰してから3度目の登板で、自身5年ぶりとなる勝利を手にした。
阪神タイガースに所属していた歳内宏明は、度重なる故障の影響などから2019年に戦力外通告を受け、独立リーグを経てNPBに復帰した苦労人である。プロは実力の世界とは言え、歳内宏明のように復帰したケースは稀なのかもしれない。
厳しいプロの世界では様々な理由で長期離脱する選手が多い。しかし、そこから見事カムバックする選手もいるのである。そこで、思い浮かべたのがプロ野球の賞の一つ『カムバック賞』である。記憶に新しいところでは、中日ドラゴンズの松坂大輔や岩瀬仁紀が受賞している。イメージは沸くのだが『カムバック賞』とは、果たしてどんな賞なのか?
『カムバック賞』はケガや病気、長期の不振などから復活した選手に与えられる、NPBで1974年に制定された賞の一つ。セ・パ両リーグから選出されるが、明確な選考基準は無く、両リーグそれぞれの基準も異なる。受賞者が選出されない年もあるが、これまでの受賞傾向から、セ・リーグの選考基準は甘く、パ・リーグは厳しいと見て取れる。また、選考基準は離脱期間の長さだけでなく、選手の実績や年齢も加味され、目立った活躍の無い選手が長期離脱から復活したとしても、選考対象にならない傾向にある。
例えば、元ヤクルトの館山昌平は2008年から5年連続で二桁勝利を挙げるなど、チームのエースとして活躍していたが、翌年右肘の靭帯を断裂し、復帰と離脱を繰り返しながらではあるが、約2年半もの間1軍登板から遠ざかっていた。しかし、2015年の巨人戦で1軍に復帰し、この年6勝を挙げてヤクルトの14年ぶりの優勝に大きく貢献した。二桁勝利ではないものの、エースとして活躍していた選手が長いリハビリ期間を経て、その後チームの優勝に貢献したことがまさに“カムバック”したと認められ、2015年シーズン終了後、館山昌平はこの賞を受賞した。
もちろん今後の活躍にもよるが、これまでの傾向から考えると、上記で紹介した歳内宏明が選考対象になることは難しいのかもしれない。だが、たとえ賞はとれなくても、苦労を乗り越えてきた選手の姿にファンは感動を覚え、これからも声援を送り続けるに違いない。
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