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「軽打でロングヒットが打てる」石川昂弥の次元が違う打撃とは?

Text:尾関雄一朗

キャンプに参加中の中日1位入団、石川昂弥。右肩を痛めるも軽症で、その大物感から期待が日々、高まっている。
東邦高校時代の恩師は、石川をどう育ててきたのか。

石川昂弥①(別タブで開きます)

■石川昂弥② 次元が違う高校通算55弾 

東邦・森田泰弘監督は、石川の打撃能力の高さをこう証言する。
「入学時からパワーは格段上で、今までに感じたことがないほどの伸びしろも持っていた。東邦の将来を担い、一つ上のステージに上げてくれる男だと感じた。」
「もともと右打ちはできていたが、1年秋のホームランは、入学後にさらに長打力がついたから。その後も球をとらえる能力を上げてきた。特に優れているのは選球眼。その部分は非常に信頼している」

打撃の次元が違う。スイングには力感がない。よく高校球児から〝フルスイング〞という言葉が聞かれるが、石川の場合はまったく逆で「あまりフルスイングしない」と話す。
森田監督も「彼は力んで打たない、マン振り(フルスイング)しない。軽打でロングヒットを打てる。だから球にも対応できる」と解説する。
打席に入ると変化球を中心に狙い球を定め、「狙い球がきたら振る。たとえば1打席目でカーブを狙い打てれば、あとの打席は(狙い球を絞るのは)簡単で、ストレートを狙っていけばいい」と石川は涼しい顔だ。打撃フォームは細かな理論よりも感覚を優先する。

3年間で積み上げた本塁打数は通算55本。第54号は夏の愛知大会の初戦で、第1打席のファーストスイングで右中間へ仕留めた。第55号は国際大会での殊勲打。U-18W杯でのパナマ戦で、木製バットで左翼席まで運んだ。

次回、「石川昂弥:③鳴り物入りで東邦へ」へ続く
(初出:【野球太郎No.033 2019ドラフト総決算&2020大展望号 (2019年11月27日発売)】)

取材・文:尾関雄一朗
1984年生まれ、岐阜県出身。
新聞記者を経て、現在は東海圏のアマチュア野球を中心に取材。多くの「隠し玉選手」を発掘している。中日新聞ウェブサイト『中日新聞プラス』でも連載中。
アマ野球関連のラジオ出演なども多数。

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