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阿河徹が語る飛距離を出すために必要なアドレスの前傾姿勢とは?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

Text:阿河徹

アドレスで重要なのは前傾姿勢がとれているかどうか

アドレスの姿勢で上達が阻害される場合があります。多くのアマチュアが体が起きた姿勢、いわゆる「へっぴり腰」で構えているのですが、このアドレスからだと上手くなることはまず、ありません。

こういう人たちには「前傾姿勢」という概念がないか、あっても間違っているので、ゴルフスイングに必要な前傾姿勢をとることができないのです。「あ、前傾姿勢ね。大事だよね。こんな感じかな」と言いながらとるその姿勢は、上体はまっすぐなまま、両ヒザを曲げて少し沈み込むということが多いのですが、要は「ヒザの屈伸運動」を「前傾姿勢をとる」と勘違いしているわけです。

このアドレスからだと、グリップを正しく握れませんし、前傾角度を維持しながら体を回転させることもできないので、まともにスイングすることは不可能です。体を回さず手だけでクラブを上げることしかできないのですが、そういう類のバックスイングでゴルフをやり続けている人はけっこう多くいて、笑えないような笑い話です。日常生活で前傾姿勢をとる機会がほとんどないのでピンと来ないのでしょうが、ゴルフでは必要なものなので、覚える必要があります。しかもけっこう前傾するので、その必要性をしっかりと意識しながら前傾姿勢をとる練習をしてください。

やり方としてはまっすぐ立った姿勢でクラブを横に持って股関節に当て、そこから上体を前傾させます。背中を曲げるのではなく、骨盤を傾け背骨から骨盤のラインをまっすぐ揃えることがポイントです。クラブを当てて前傾すると太腿の後ろ側に張りが来ますが、両ヒザを伸ばしていると不安定なので自然にヒザを曲げてバランスをとるはずです。

太腿の後ろ側の筋肉と腹筋で体を支えているこの姿勢が前傾姿勢で、アドレスの基本となります。このときヒザを曲げる角度が浅いタイプはアドレスが前重心になり、ヒザを曲げる角度が深いタイプは後ろ重心気味になりますが、これに関しては個性なのでどちらでも構いません。たとえば私はセンターよりも後ろに重心が来るタイプですが、重心を前寄りに持っていくと途端に体が動かなくなります。このように動作反応は人それぞれなので、自分に合った前傾姿勢を探すことが大事です。

動きやすい前傾姿勢を作ることさえできれば、上達への準備は整ったと言っていいでしょう。頭のポジションを左右に寄せるなど使い分けてクラブの軌道を変化させるテクニックはありますが、それは応用編の話なので、まずは妥当な前傾姿勢をとれているかどうかチェックしてください。

出典:『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』阿河徹

【書誌情報】
『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』
著者:阿河徹

なかなか上手くならないアマチュアゴルファーのスイングには、致命的な欠陥がある。そこで本書では、アマチュアのスイングの悪いクセを7つを解説。さらに、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ、正しいスイングの動きをイラストでわかりやすく紹介する。そして、その基本の動きが身につき、上達に役立つ10のスイング・ドリルも公開する。スイングに悩んでいる人をはじめ、これからスイングを学ぶ人、基本を再度見直したい人も活用できる一冊である。

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