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サイドでボールを受けた選手が判断すべき4つのパスコースオプションとは!?【ダイヤモンドオフェンス】

Text:坂本圭

4つのパスコースオプション

ゾーン3のセットオフェンスは、サイドレーンでボールを受けた選手の近くにいるチームメートがボール保持者に4つのパスコースオプションを提供し、ゾーンでは相手ゴールにシュートを決めるために、相手ゴール方向へ向かうプレーを最優先にしなければならない。

ボールを受けたサイドレーンに配置された選手は、相手の配置、動き、守備の方法を観察し、相手のプレーを予測して4つのパスコースオプションから最適なものを選択する。

ゾーン3のセットオフェンスの第1オプションは、サイドレーンでボールを受けた選手が中央への斜め前のパス、ポストプレーをする。このオプションは相手のライン間(DFラインとMFライン)が開きスペースがあるプレー状況において有効である。

第2オプションはバックパスであり、相手のDFラインが下がり、相手のライン間やDFラインの背後にパスコースやスペースがない場合に、一度、後ろにボールを下げサイドチェンジして逆サイドから攻撃するためのパスである(サイドチェンジをする際、スペースがあれば常に中央へのパスを念頭に入れる)。第3オプションは横パス。相手MFラインとDFラインのライン間へのパスである。例えば、ポストが激しく相手にマークされ、ポストプレーをするのが難しい、バックパスのコースも相手に消された場合に、ライン間の(内側への)選手への横パスが有効である。第4オプションがサイドレーン内の縦パスである。例えばWGがサイドレーンでボールを受け、同サイドのSBがオーバーラップし、その選手への縦パスである。

ボール保持者がゾーン3のサイドレーンにいるとき、相手はボール保持者に視線を向けボールウォッチャーになる傾向があり、グラウンド内側に配置されている攻撃側の選手は相手のライン間やライン上に位置することで、相手の背後を取ることが容易となる。したがって、ゾーン3ではサイドレーンから相手ゴール方向中央への斜め前のパス、バックパス、横パスが有効である。

サイドレーン内の縦パスが最後のオプションである理由は、そのパスが中央方向へのパスではないからだ。攻撃側が、ボールを中央の選手にパスすると相手の守備ブロックが中央に引きつけられる。ゴールは中央にあり、相手はゴールを守るため、自ゴール前に守備ブロックを形成する。それによって、サイドレーンにオープンスペースとフリーマンを生み出すことができる。

●4つのパスコースオプション
(ゾーン3のサイドレーンでボールを受けた場合)

【1】中央へ斜め前のパス。ポストプレー。
【2】バックパス、サイドチェンジ。
【3】横パス、ライン間の選手へのパス。
【4】縦パス、同じサイドレーンに位置する選手への縦パス

もしくは相手の守備ブロックをサイドに引きつけ逆サイドにオープンスペースと数的優位を生み出す。ボールを外・内・外、内・外・内とサイドチェンジを織り交ぜ、ボールを循環させることで、サイド、もしくは中央にオープンスペースを作り出し相手の守備を崩す。それがサイドレーンのみの外・外へのパスでは、相手の守備ブロックはサイドにスライドし、サイドレーンを守る選手のみが移動するかも知れないが、そのサイドにはスペースがなくなり、中央を守る選手にほとんど影響を与えることもなく、相手の守備を崩すことが非常に難しくなる。

サイドレーンでの外・外へのパスが有効なのは、相手を中央に引きつけ、ボールをサイドに素早く展開し、サイドの選手がスペースと時間を獲得した良い条件でパスを受け、数的優位があればサイドレーン内での縦パスも効果的である。相手が1人しかサイドレーンにいなく、2対1の状況を作ることができれば相手のサイドを崩しアシストゾーンに侵入してセンタリングから得点チャンスを生み出すことができる。どちらにしても、相手を中央に引きつけることが重要であり、そのためには多くの攻撃側の選手を中央に配置しなければならない。

サイドレーンに配置されたボール保持者は、ボール保持者の近くにいる選手の「きっかけのアクション」、もしくはボール保持者自身のプレーに対する相手のリアクションに応じて4つのパスコースオプションからその状況に最適なものを選択する。相手の守備の配置に応じて選手は動き、全選手参加型の攻撃方法である。

【サイドでダイヤモンドを形成している例】
ボール保持者がいるサイドにダイヤモンドを4人の選手で形成する。図ではCFが、ライン間のダイヤモンドの位置に入ることになるが、これについては、CFが相手のDFラインと同じ位置にいても同じ効果が得られる。逆サイドのWGやOMFがオーバーロードの状況を作るためにライン間のダイヤモンドに入ることも可能なので、ここでは中央のライン間のダイヤモンドの位置を空けておいても良い。


出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭

『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭

日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。