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にんじんは皮ごと食べなければ無意味なの?【栄養素の話】

Text:牧野直子

皮に多いβ-カロテンは油と好相性

にんじんを調理するとき、皮をむいて使っていませんか?実はこれ、せっかくの栄養素をムダにしてしまう食べ方なのです。

にんじんに含まれる主な栄養素は「βカロテン」。体内で「ビタミンA」にかわり、光を感知する網膜の色素をつくったり、皮膚や粘膜の細胞の再生を助けたりします。

高い抗酸化作用があり、生活習慣病の予防にも役立っています。にんじんのβ-カロテンの含有量は、芯の部分よりも外側に近くなるほど多くなるのです。

にんじんを丸ごと加熱してみるとよくわかりますが、にんじんの表面はごく薄い膜のような表皮で覆われており、この付近にβ-カロテンが豊富に含まれているのです。

ですから、にんじんを調理するときは、よく洗って皮ごと使うのがベストです。どうしても気になる場合は、皮むきグローブなどを使ってできるだけ薄く表皮だけを落とすようにすれば、栄養素の損失を少なくできます。

そして調理法を工夫することでβ-カロテンの吸収をさらにアップさせることも。β-カロテンは熱に強く、油との相性もよい栄養素です。

生の場合と、油で調理した場合の体への吸収率を比べると、その差はなんと8倍以上。にんじんのしりしりやグラッセなど、油を使ったメニューで皮ごといただきましょう。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』
著:牧野直子

シリーズ累計発行部数130万部突破の人気シリーズより、「栄養素」についてフォーカスした一冊。一口に栄養素といっても、その種類や働きは様々なものがあります。また、世間の栄養素に対する考え方として、何となく取らないといけないことは知っている、でもよくわからないし、自分も家族も気にしてないけど、病気になってないから別に栄養なんてどうでもいい、という人は多いと思います。しかし、年齢を追うごとに病院に行ってもよくわからない原因不明の不調などが出てきて、それが栄養不足や栄養過多から来ている、という事実は意外と知られていません。そして、薬では直せないものは栄養不足を解消する事で改善できる、という事が多々あります。そんな絶対に知っておくべき栄養の話を図解、イラストでわかりやすく紹介します。