体を温める最強のスター食材
冷えからくる体調不調や病気は、体を温める食べ物で予防・改善されます。ここでは数多い食材の中から、体を温める効果・効能の高い、最強の食材をプロフィールとともに紹介します。その切り方から保存方法、簡単な食べ方まで、ワンポイントレッスンも必見です。
【羊肉】体を温めて脂肪燃焼、ダイエット効果も期待
●冷え症や貧血などの症状に効く
他の肉と同様に、必須アミノ酸を十分に含む良質のタンパク源で、漢方でも「胃腸の働きを補い、筋肉を益し、排尿を促し、むくみをとる」としています。羊肉は、生後1年未満の子羊を「ラム」、1年以上を「マトン」といいます。「ラム」のほうがやわらかくクセもない肉質。どちらも栄養価が高く、タンパク質の他にビタミンB₁、B₂、鉄、亜鉛も豊富。
脂質の代謝を促して、脳や体にエネルギーを供給することから、ダイエットに効果的と話題に。羊肉に多く含まれる短鎖・中鎖脂肪酸が体内でエネルギー源となり燃えることで、中医学では体を温める効果が高い食材として、冷え症や貧血、生理不順など女性特有の病気に用いられているそうです。
【Point】赤身の肉は、うつに効く!
肉類は体を温めて気持ちを明るくしてくれるので、冷えとうつには有効なのです!
保存方法
●すぐに食べない場合は冷凍しましょう!
ちまたでは熟成肉などが流行っていますが、湿度や温度管理が難しく、自宅で熟成させることは不可能なので、鮮度を保つなら冷凍がベスト。ドリップ(汁)をペーパーなどでふき取り、ぴったりラップをしてから密封袋に入れて冷凍庫で保存します。解凍するときは冷蔵庫に移します。低温で解凍することでドリップを防ぎ、細菌の繁殖を防げます。
おすすめの切り方&調理方法
●ハーブやワインで調理すればにおい消しに
ラム肉といえばラムチョップ。ろっ骨にそって切り分けられた骨付き肉は、脂身と赤身の間に筋があるので、ナイフの先などで切れ目を入れます。骨の周りも少し切り離すように切れ目を入れると食べやすくなります。特有のにおいがあるので、気になる場合は焼くときにハーブ(ローズマリーやタイムなど)やワインを加えるとよいでしょう。
・筋切り/ローストなど
・ぶつ切り/炒め物など
おすすめの食べ合わせ
●羊肉+クミン
体を温め、冷え症を改善。体温を上げる効果も期待。
●羊肉+にんにく
精力増強、疲労回復。夜間の頻尿改善にも効果あり。
羊肉メニュー例
ラムチョップのハーブ焼き、ラムとリンゴのロースト、羊肉のワイン煮、マトンのキーマカレー、ラムのクミン炒め、羊肉串焼き、羊肉と豆のスープなど。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.14