体を温めるアイドル食材
身近な、いつも食べているものにも、体を温める食材はいっぱいあります。なにげなく口にしてはいたけど、もっと効果を感じたい、合理的に食べたい、と思いませんか? 切り方や調理方法で栄養価が変わるので、これを参考にしてぜひ、実践してみましょう。
【にんにく】疲労回復、滋養強壮のチャンピオン野菜
●スタミナの源は冷え症にも効く
古来より、疲労回復、滋養強壮の源だったにんにく。スタミナ源となる強烈なにおいのもとであるアリシンは、食中毒や感染症に対して殺菌効果があります。また、体内に浸透して体を温め、肩こりや腰痛を緩和してくれます。さらに摂り過ぎた塩分を排出するカリウムや食物繊維も豊富。
そのほかにも微量ながら含まれるスコルジンは、血行促進し、冷え症や心臓病などにも効果的で、新陳代謝を上げ、水分排泄作用にも作用します。がん予防効果が高いと期待されている抗酸化作用のあるセレンも含まれています。にんにくは油で炒めると疲労回復効果がアップしますが、長時間の加熱で成分が分解されてしまうので注意。
【Point】元気が出るからと食べ過ぎはNG!
効果があるものの、食べ過ぎると胃を痛めることもあるので、食べ過ぎには注意しましょう。
保存方法
●皮付き丸ごとなら1か月以上保存可能
皮付き1個のままなら日陰で風通しがよく、湿度の低い場所に吊るしておくと1か月以上長持ちします。または、紙に包み、野菜室で保存します。中皮が付いたままでバラバラに外した場合も、紙に包んで野菜室で保存。こちらは2週間くらいが保存の目安です。さらに薄皮も剥き、切った場合は密封袋に入れて野菜室で保存。早めに使い切りましょう。
おすすめの切り方&調理方法
●すりおろしで効果倍増!
にんにくの「アリシン」は細かく刻む&すりおろすことで活性化します。疲労回復はもちろん、殺菌効果や生活習慣病の予防にもなるので、お得に食べたいですね。ただすりおろしなどは油で炒めると飛びはねるのでやけどに注意!炒める場合は極薄切りにして、低温でゆっくり加熱しましょう。
・薄切り/炒め物など
・みじん切り/炒め物、煮物など
・すりおろし/和え物、煮物など
おすすめの食べ合わせ
●にんにく+豚肉
ビタミンB1と一緒に摂ると体力増強効果がアップ。
●にんにく+ほうれん草
緑葉食野菜と摂れば、がん予防効果が高まる。
にんにくメニュー例
にんにくオイル、炙りまぐろのガーリックソース、ペペロンチーノパスタ、じゃがいものガーリック炒め、ほうれん草炒め、カツオのたたき、ガーリックバターチキンなど。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.22