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とっさのときでも体が適切な行動をとれるのは、どうしてなの?【図解 解剖学の話】

Text:坂井建雄

脳に代わって脊髄が中枢として働く

ヒトには脳だけに頼らないしくみがあるから

私たちが動くとき、外界の変化に合わせて適切な行動をとれるのは、外からの情報(信号)が末梢(まっしょう)神経と脊髄(せきずい)を経由して、司令部のある脳に伝わり、組み立てられた指令が、再び脊髄と末梢神経を通って、手足の筋肉などに送られるためです。しかし、急に物が飛んできたりして、とっさに危険から身を守るときなどは、脳に情報を伝え、脳の指令を待っていたのでは間に合いません。このようなときは、脳に代わって脊髄が中枢として働き、意識することなく、体に反射運動を起こさせ、物がぶつかる前に反応できるようにして、危険を回避しています。このしくみを、「脊髄反射(はんしゃ)」といいます。脊髄反射の場合、脳のような役割を担っているのが脊髄で、信号は脳を経由せず、脊髄が信号を処理して筋肉に指令を伝えています。

脊髄反射を利用したのがリハビリテーション

脊髄から左右に出る末梢神経(脊髄神経)は31対あり、それらは体中にくまなく伸びています。脊髄神経のうち、脊髄の腹側から伸びているのは運動の信号を伝える「運動神経」で、背中側から伸びているのは感覚の信号を伝える「感覚神経」で、全身の動きに関係しています。ヒトが歩行するとき、意識せずとも次は右足、次は左足、と足が交互に出せるのも、脊髄のなかにこうしたしくみが備わっているためです。また、脳の一部が壊れて、麻痺(まひ)が起こったようなとき、この脊髄反射を利用して医療に役立てているのが、リハビリテーションなのです。

脳、脊髄、末梢神経のつながり

中枢神経・・脳、脊髄
末梢神経・・椎体、末梢神経、運動神経、感覚神経、脊髄、椎弓
各部

神経は、体の各部に張り巡らされた末梢神経と、そこから集められた信号を処理する中枢神経で構成されている。

脳、脊髄、末梢神経のつながり『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

耳はどんなふうに働いて音を感じるの?『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』

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解剖学は,医師や看護師、整体師、介護士、栄養士など医療・健康職や、トレーナー、ヨガ指導者など、スポーツ関係者が身に付けておくべき専門知識で、資格試験の科目です。いま、多くの人が勉強している解剖学のディープな面白さを、一般の人に向けて、ゆるくて楽しいイラストを使い、わかりやすく図解します

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井 建雄

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