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パドックは前の馬と後ろの馬を比べる場所ではない!【究極の競馬ガイドブック】

Text:長谷川雄啓

長谷川流パドックの見方

あとは、何と言っても、命ある生き物ですから、やる気や“圧”が違います。もし、あなたが友だちに競馬に誘われたとしましょう。「え~、競馬かぁ…めんどくさいなぁ」と思えば、駅までの道は、足どりも重く。逆に、「おっ、競馬!行こう、行こう!」となれば、シャキシャキ歩くでしょ ( 笑 )。それと同じだと思って下さい。

走る気に満ち満ちた馬の“圧”は、生のパドックならではの感覚です。ぜひ、競馬場で体感してみて下さい!

さらに付け加えておくと、パドックは前の馬と後ろの馬を比べる場所ではありません。それを“横の比較”と言います。この馬が好走していた時、パドックではどんな雰囲気だったのか、それを記憶しておいて、「今日はどんな感じか?」を見る。それを“縦の比較”と言います。パドックは本来“縦の比較”で見るもの。

例えば、パドックでは、少しうるさいぐらいで好走していた馬が、今日はおとなしかったら…。それは、落ち着いているのではなく、元気がないのかもしれません。

逆に、パドックで落ち着いて周回していた時に好走していた馬が、今日はやる気を見せ過ぎていたら…。それは元気があるのではなく、イレ込んでいるのかも。“イレ込む”とは、極度に興奮した状態を指しますが、イレ込んでいて、何が悪いのかと言うと、内面でカッカカッカすることにより、エネルギーを無駄に消費。レース前に体力を消耗してしまいます。

ひどい発汗や、歩様、仕草などにも表れますが、それだとレースで力を出し切れません。裏も表も、見方によっては、どちらも“真”ですから、そのジャッジは難しい。ボクらはパドック解説を生業にしていませんから、1頭1頭のパドックでの姿は、さすがに覚えていませんもんね。

だからこそ、“自分の好きな歩き方”の基準を作る。それが大切になってくるのです。そのためには、とにかく数多くの馬を見る。パドックに足しげく通って、馬を見る。見る。見る。見る。そうして、「これはいい状態だ」と判断の出来る物差しを、自分の中に作ってみて下さい。

馬券を買わなくてもいいから、パドックで気になった馬にチョイと印を付けて、レースを観戦。好走すれば、見方に自信をプラス。凡走したら、「何が違ったんだろう?」と微調整。その繰り返しが、パドックで馬を見る目を鍛えていきます。

ただひとつ、絶対能力が 60 点の馬が、仮に 110%の出来だったとしても、66 点。同じレースに出走する絶対能力100 点の馬がいて、70%の出来でも 70 点ですから、出来の悪いほうの馬が勝っちゃうことも ( 笑 )。できればパドックは、競馬新聞で予想をし、注目した馬の、今日の状態を確認しに行く場所にしたいですね。それでも、たまにいるんですョ。一完歩、一完歩が大きくて、パドックの外めを、首を使ってグイグイと歩いている、人気薄の馬が。そんな時は、自分の目を信じて、馬券に加えてみて下さい。とんでもない高配当を、プレゼントしてくれるかもしれませんョ。

【書誌情報】
『究極の競馬ガイドブック 自分で“勝ち馬”を探せるようになる』
著者:長谷川雄啓 JRAビギナーズセミナー講師

競馬場などで行われている競馬初心者施策でビギナーセミナーの講師を務めている長谷川雄啓氏。そこで競馬初心者の人々と触れ合うことで「初心者の人が馬券を買うまでに知りたいポイント」を体得してきました。これまでの教本だと、まるで家電の説明書のように、“抜け”があったらマズいと、それはそれは細かく、ビギナーには不要な細かい情報まで書いていました。この本では、そういった内容を極力省きます。ポイントを押さえれば、細かいことは自然と覚えていくので、まずは開いた“競馬の扉”を閉じさせないよう、自力で予想を楽しめるよう導いてあげるのを目的とした本です。