血管の「健康管理役」
運動による降圧効果でもうひとつ注目したいのが、NO(一酸化窒素)のもつすぐれた働きです。NOは血管の内側にある血管内皮細胞から分泌される物質で、血管を柔らかくする作用があるため、産出が増えるほど血液の流れがスムーズになり、結果として血圧が下がります。
さらに、NOには血液中の血小板の凝固を防いで血栓をできにくくしたり、傷ついた血管を修復する働きがわかっています。また、NOの分泌を増やすことは脳梗塞や心筋梗塞の予防のためにも重要です。
つねにNOが分泌されやすい体内環境が整っていれば、適正な血圧値が維持でき、将来に渡って高血圧の予防にもなります。本書もそこに着目して「加藤式降圧ストレッチ」、「バンザイ体操」、「合掌ポーズ」といったNOの分泌を促進する運動を取り上げています。
合掌ポーズは手のひらを合わせて押し合い、筋肉を一度硬直させて血流を悪くした後、一気に力を緩める動き。これはギュッと収縮させた血管をパッと解放して、せき止められていた血液を瞬時に勢いよく流すことになります。こうして血管内の血液量を急激に増やすと、血管内皮細胞が刺激され、NO分泌アップにつながるのです。このようにNO分泌促進を目的とした降圧運動を続けて健康的な血圧の値を維持して下さい。
出典:『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法』
【書誌情報】
『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法』
監修:加藤 雅俊
いまや現代病とも言われ、高血圧患者はおよそ4300万人いるとも言われています。血圧は健康診断などで指摘されても、すぐに病気になったり状が現れるわけではないため、放置したり、降圧剤を飲んで数値を改善している人も多いのではないでしょうか。降圧剤に関しては数値が下がっても飲まないと元に戻ってしまったり、予防としても一生涯飲み続けることになる場合が多く、医療費がかかったり、通院にはそれなりの時間もかかります。そんな高血圧に悩む人たちに向けて、本書では血圧本で数々のベストセラーを出している著者による、“薬いらず”“減塩なし”で、誰でも簡単にできる血圧がみるみる下がっていく“最強1週間プログラム”を紹介します。血圧が高くなる原因には『身体』と『心』の二つがあるため、まずは自分の血圧はどちらが原因で高くなっているのか簡易チェック!その上で、肺から血圧にアプローチする『胸郭ストレッチ』、押すだけで10以上下がる『降圧ツボ』、心も体も整う『加藤式呼吸法』など、時間もかからず誰でも即できるのに、驚くほど効果がある方法を毎日取り入れやすい1週間プログラムにして紹介します。さらに一回下がっても元に戻らないために、しっかり正常な血圧を維持していくプログラムも紹介。
高血圧で薬をやめたい方、薬を飲むか迷っている方、減塩せずに食事を楽しみたい方など、高血圧に悩んでいる方にはぜひ手に取って頂きたい一冊です。
公開日:2024.03.25