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ミオグロビンが増えると肥満体質は改善する!

Text:加藤雅俊

肥満解消に向けて、運動や食事の改善に取り組んでいる人は多いと思います。もちろん、運動も食事も大切なことですが、いろいろ頑張っているのに「思ったほど痩せない」と感じているなら、もっと他に、目を向けるべきことがあります。これは多くの人が誤解をしていることですが、食べるから太るのではなく、脂肪を燃やしていないから太るのです。肥満を解消したいなら、食べる量を減らすより、脂肪が燃える体をつくることの方が重要です。では一体、どうすれば脂肪をたくさん燃やせるのでしょうか?そのカギを握っているのが、ミオグロビンです。

筋肉には2種類ある

まずは、筋肉のつくりについて説明しましょう。筋肉は、多くの筋繊維の集まりが筋束を構成し、筋束の集まりで筋肉を構成しています。その筋繊維のなかに白筋と赤筋が存在し、皮膚に近い筋肉の表層側には白筋が多く、骨に近い深層側には赤筋が多く存在しています。

ミオグロビンとは?

ミオグロビンは、筋肉中に存在している赤い色のたんぱく質で、必要なときまで酸素を貯蔵しておくことができます。まぐろやかつおなど回遊魚は水中を長時間、水面に上がらずに泳ぎます。そのために大量の酸素を貯蔵しておく必要があり、長距離を泳ぐ回遊性の魚の身が赤いのはそんな理由からなのです。

ミオグロビンは唯一、酸素をためられる

ミオグロビンの大きな特徴は酸素をためる力があることです。人間の生命活動に欠かせないものに酸素と栄養があり、栄養は、体脂肪に変えて蓄えることができます。そのため人間は、水さえあれば1カ月は生き延びられるとも言われています。体脂肪は本来、いざというときのためも含め、ためておける大切な生命エネルギーです。しかしながら、酸素は基本的にためることができません。仮に、「ちょっと息を止めてみよう!」なんて試してみると、ほんの数秒間で息苦しくなりますよね。 人間の体は、呼吸が止まってから15分ほどで心肺機能が停止し、脳にいたっては、ほんの数分で回復不可能な状態に陥ります。それは、呼吸が止まることで全身の細胞に酸素が行かなくなるからです。医療現場でおこなわれる心肺蘇生も、実は、脳に酸素を送り続けるために、おこなっている行為なのです。それくらい、酸素は体にとって大事なもの。だから私たちは、絶え間なく呼吸をして酸素を取り入れているのです。先ほど基本的にと言いましたが、実は例外的に日常生活や運動の際に必要な酸素を一時的にためておける場所があります。それが、ミオグロビンです。このミオグロビンの「酸素をためる」力こそが、肥満解消に大いに役立つのです。

【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)

肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。 本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。