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短距離走と長距離走は使う筋肉が違う!

Text:加藤雅俊

同じ「走る」を専門とするアスリートでも、短距離走の選手とマラソン選手とでは鍛えている筋肉がまったく違います。

短距離走と長距離走は使う筋肉が違う

短距離走の場合、鍛えるべきは表層筋です。なぜなら全力疾走をするときは、息をほぼ止めて走っているからです。ゆっくり呼吸をしていたら、あれだけのスピー ドは出せません。しかし、速く走るには大きなパワーが必要なので、無酸素で働いてくれる表層筋がものをいうのです。一方、マラソンのような長距離走では深層筋が活躍します。トップランナーの体型をみるとわかりますが、贅肉はもちろんのこと、無駄な筋肉すらない、とても細い体をしています。42kmという長い距離を走るには、 体ができるだけ軽いほうがいいので、マラソンを走るのに必要な筋肉以外、すべてそぎ落としています。マラソンに必要な筋肉は、フォームや姿勢を維持する筋肉、腕や足の連続した動作を支える筋肉です。そのため、マラソン選手は見ためには細 いのですが、持続性のある深層筋が発達しているのです。

ジョギングをしているときの呼吸を思い返してみると、「スッスッ、ハッハッ」 というように、一定のリズムを維持しています。呼吸のリズムが整っていると、長距離も比較的楽に走れます。呼吸のリズムが乱れていると、息が上がって疲れを感じやすくなり、途中で走れなくなってしまいます。これは、長距離を走るための酸素量に対し、酸素を取り込む力が追いついていないということです。深層筋をフル稼働させるには、それを動かす酸素もたくさん必要になります。そのため、マラソン選手は常に走り込み、ひと呼吸で多くの酸素を取り込める肺活量を上げるための日々のトレーニングを欠かしません。ですので、深層筋の質を高めてミオグロビンを増やすには、マラソンやジョギングのような運動をすればいいわけです。

【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)

肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。 本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。