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肩こりや腰痛に効く「ハイハイ体操」とは!?【ゆがんだ背骨の整え方】

Text:栗原隆

その肩こりや腰痛、ハイハイ体操でスッキリしましょう!

体の不調のなかでもっとも身近な症状といえば、「こり」と「痛み」です。とくに肩こりと腰痛は「国民病」といわれるほど日本人には多く、首のこりや頭痛に悩まされている人も少なくありません。こうした慢性的なこりや痛みを抱えている人は、症状がひどくなると接骨(整骨)院やマッサージなどに通い、多少改善するとやめ、そしてまたぶり返す、ということをくり返しているのではないでしょうか。いくら局所的にもみほぐしても、根本的な原因を解決しない限り、再び同じ症状が現れてきます。実は、あなたのこりや痛みは、体の「ゆがみ」が原因かもしれません。ゆがみとは、体を形づくる骨格の位置が本来あるべき場所からずれたままになってしまっていること。それにより体はバランスをくずして筋肉が正常に動かなくなり、こりや痛みが発症します。

つまり、ゆがみという根本的な原因を解消しなければ、いつまでたってもこりや痛みから解放されることはないのです。そのゆがみを改善するために考案されたのが「ハイハイ体操」です。ハイハイ体操とは、その名の通り、赤ちゃんのようにハイハイをする運動です。ハイハイは、赤ちゃんにとって「立つ」「歩く」ための大切な準備運動です。ハイハイは骨格や運動能力に影響があることがわかっています。大人でもハイハイを行うことで体幹などが鍛えられ、全身の筋肉がバランスよくついてゆがみを正すことが可能なのです。そればかりでなく、転倒や寝たきり防止にも役立ち、年齢を重ねても自分の足で歩き続けられることが期待できます。やり方はいたってかんたん。四つんばいになり、円を描きながら進むだけです。特別な道具は、一切、必要ありません。時間も一日たった5分。こりや痛みがある、体のゆがみが気になる、均整のとれた体になりたい、生涯、自分の足で歩きたい、かんたんに筋トレしたい……という人はさっそくハイハイ体操を始めましょう!

ハイハイ体操がゆがみを解消するしくみ

ハイハイ体操では、体のさまざまな部位を効率よく鍛えることができ、根本から体のゆがみを解消することにつながります。

【1】四つんばいの姿勢
両腕と両足で均等に体重を支えるため、どこか一点にだけ負荷がかかることがなく、かたよりが生じない。必要な場所に均等に筋肉をつけることができる。

【2】ハイハイで進む
四つんばいから首を持ち上げると、頸椎のカーブを維持しながら首の筋肉を鍛えることができる。四つんばいの姿勢を保ちながら進むことで、腹筋と背筋がバランスよく鍛えられる。

【3】バランスをとりながら進む
手足を動かして進むと、体が揺れて適度に筋肉を動かすことができ、ゆがみを正すことにつながる。また、不安定な姿勢になることがあり、自然にバランスをとって体幹が鍛えられる。

【4】一定の方向に回る
体に左右差のある状態で一定の方向に回りながら進むと、骨格を正して筋肉が弱くなっているほうを鍛えることができ、体の左右差が解消される。

ハイハイで鍛えられる体の部位

ハイハイは全身を使った動きであるため、体全体の機能を高めることができる。


【書誌情報】
『ゆがんだ「背骨」の整え方』
著者:栗原隆 「栗原隆ウェルネスクリニック」院長
医師・医学博士。日本医師会認定産業医・健康スポーツ医

体のゆがみの多くは、姿勢や行動のクセによって起こります。肩こりや腰痛だけでなく、不定愁訴や内臓疾患の原因になっているかも。そんな体のゆがみを治す、簡単な体操を紹介する本です。メインはハイハイ体操。一日5分、赤ちゃんみたいにハイハイするだけ。背骨まわりの筋肉のバランスが整い体のゆがみが改善します。肩こりや腰痛などの痛み、猫背やそり腰、おなかぽっこりなどの見た目、冷えや不眠、生理痛などの不定愁訴が改善。それ以外にも、正しい歩き方や組み合わせる体操などを紹介しました。自分のゆがみをチェックして、さっそく始めましょう。