緊張したり、ゆるんだりした筋肉がゆがみを招く!
骨格と筋肉は密接な関係にあり、とくに骨格を動かす筋肉のことを骨格筋といいます。また、重力に逆らって正しい姿勢を維持する重要な筋肉を抗重力筋とよび、脊柱起立筋、太ももを後方に引く大殿筋、ひざを伸ばす動きに関わる大腿四頭筋、体が前方に倒れないように支える下腿三頭筋などがあります。体のゆがみは、先に骨格がゆがんで筋肉が正常に動かなくなり、筋肉の機能が低下する場合と、老化や運動不足などで筋肉が極端に伸びきった状態(弛緩)または筋肉の収縮が続く状態(拘縮)に影響を受けて骨格がゆがむ場合があり、現れ方はまちまちです。たとえば、猫背の姿勢を続けていると、肩甲骨が開いた状態でかたまり、肩甲骨を閉じる筋肉が硬くなります。すると肩甲骨や肋骨の可動域が狭くなるため、バランスをとろうとしてほかの筋肉や骨が動いて別のゆがみを引き起こします。さらに、また別の筋肉と骨がバランスを補正しようと動いていきます。こうしてひとつのゆがみが、全身のゆがみにつながっていくのです。
姿勢を保つ抗重力筋
抗重力筋の働きによって、立ったり歩いたりすることができます。とくにこれらの筋力が弱くなると、まっすぐに立つこともままならず、体の各所に負担がかかることになります。
【書誌情報】
『ゆがんだ「背骨」の整え方』
著者:栗原隆 「栗原隆ウェルネスクリニック」院長
医師・医学博士。日本医師会認定産業医・健康スポーツ医
体のゆがみの多くは、姿勢や行動のクセによって起こります。肩こりや腰痛だけでなく、不定愁訴や内臓疾患の原因になっているかも。そんな体のゆがみを治す、簡単な体操を紹介する本です。メインはハイハイ体操。一日5分、赤ちゃんみたいにハイハイするだけ。背骨まわりの筋肉のバランスが整い体のゆがみが改善します。肩こりや腰痛などの痛み、猫背やそり腰、おなかぽっこりなどの見た目、冷えや不眠、生理痛などの不定愁訴が改善。それ以外にも、正しい歩き方や組み合わせる体操などを紹介しました。自分のゆがみをチェックして、さっそく始めましょう。
公開日:2021.02.06