ゆがみのサインに気づいていますか?
体のどこかにこりや痛みがあったり、疲れやすかったりするのは、ゆがみを知らせる大切なサインです。しかし、こったところがない、どこも痛くない、疲れも感じないからといって体がゆがんでいないとは限りません。ゆがみがあると筋肉のつき方や体の使い方にかたよりが生じるため、体のどこかにその形跡があったり、クセとして現れたりします。たとえば、いつも同じ側の肩に荷物をかける人は、肩の筋肉が緊張してハンガーのように盛り上がってきます。また、肩から荷物がずり落ちるのは、そちら側の鎖骨や肩甲骨が下がっている証拠です。こうした傾向にある人は、肩や腕だけでなく、背骨や足なども連動してゆがんでいるかもしれません。O脚の人は、太ももの外側によけいな筋肉がつく傾向にありますが、これは外側に重心がかかっているため、外側の筋肉で体を支えようとするからです。
無意識に足を組んでしまうのは、両足を下ろした正しい姿勢で座るよりも組んだほうがラクだから。たとえば右足を上にして組むと、右側の座骨が上がり、それにともない骨盤全体が傾きます。とくに片側だけ足を組むクセのある人は、足を組んでいないときも常時、そちら側の骨盤が上がっているとも考えられるのです。体のゆがみは、身につけているものからも察することができます。わかりやすいのが靴底です。かかとの減りが左右で異なっていませんか。右側のかかとの減りが激しい場合は、右側に重心がかかっている証しです。また、両方のかかとの外側が減っているのは、O脚気味であることを示しています。さらに、冷え性や生理痛、胃腸のトラブルや呼吸が浅いといった内臓からのサインも見逃せません。それらは、ゆがみによって血流が悪くなったり、神経が圧迫されたりすることが原因かもしれないからです。
【書誌情報】
『ゆがんだ「背骨」の整え方』
著者:栗原隆 「栗原隆ウェルネスクリニック」院長
医師・医学博士。日本医師会認定産業医・健康スポーツ医
体のゆがみの多くは、姿勢や行動のクセによって起こります。肩こりや腰痛だけでなく、不定愁訴や内臓疾患の原因になっているかも。そんな体のゆがみを治す、簡単な体操を紹介する本です。メインはハイハイ体操。一日5分、赤ちゃんみたいにハイハイするだけ。背骨まわりの筋肉のバランスが整い体のゆがみが改善します。肩こりや腰痛などの痛み、猫背やそり腰、おなかぽっこりなどの見た目、冷えや不眠、生理痛などの不定愁訴が改善。それ以外にも、正しい歩き方や組み合わせる体操などを紹介しました。自分のゆがみをチェックして、さっそく始めましょう。
公開日:2021.02.09