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首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症の予防・改善ができるストレッチ体操『首ねじり 片手補助』【背骨コンディショニング】

Text:日野秀彦

背骨コンディショニングで首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症の予防・改善

めまいや耳鳴りは、頚椎1番の変位

めまいや耳鳴りなどの症状は、後方変位した仙骨の代償姿勢により前に出た頭蓋骨を支えようとして、第1及び第2頚椎が後ろにずれること(後方変位)が原因と考えられます。なかでも頚椎1番の奥にある延髄(えんずい)と橋(きょう)の境目には、12対の脳神経のうち11対が集中しているため、頚椎1番がずれるとこれらの神経が牽引されて、頭痛やめまいをはじめ目や耳、自律神経など
にかかわる脳神経が伝導異常を起こし、さまざまな部位に症状が引き起こされると考えられます。

めまいは、頭痛と同じく強い噛みしめによる、三さん叉さ 神しん経けいの牽引が原因となっていることがあります。三叉神経は、眼神経、上顎(じょうがく)神経、下顎(かがく)神経の3つに分かれる、脳神経のなかでは最大の神経です。頭部の大部分を覆い、ものを噛むときに大きな役割を果たす咬筋(こうきん)と側頭筋も、三叉神経によってコントロールされています。噛みしめがキツいと咬筋・側頭筋から三叉神経が引っ張られ、さらに近くにある内耳神経まで牽引されて、めまいが起こると考えられます。

首の上から下まで首全体に張りが出て首に痛みを感じる場合は、頚椎1番が後ろにずれています。首を左右に振り向く動作がつらい場合は頚椎の1〜3番が、首をかしげて横に倒すと痛む場合は頚椎の4〜6番がずれています。上を向くのがつらいときは、頚椎7番と棘(きょく)突起がぶつかっているのが原因と思われます。

あごが痛む、口が開かない、あごを動かすと音がする、といった症状の顎関節症は、関節円板という骨より柔らかいクッション役の関節が前方にずれる(前方変位)ことで起こります。

蝶形骨、関節円板、顎関節の位置【背骨コンディショニング】

関節円板の前方は外側翼突筋上頭とつながっており、この筋は蝶形骨の大翼を起始としています。翼突筋の拘縮が顎関節だけでなく蝶形骨のずれも生み、あごの複雑な動きを阻害(そがい)しているのです。こうした症状は、蝶形骨を矯正することで症状を和らげることができます。

蝶形骨の矯正方法

蝶形骨の矯正【背骨コンディショニング】

片手を蝶形骨にあて、飛び出した側の蝶形骨を内側に押し込みます。

【ゆるめる体操】首ねじり 片手補助 ストレッチ

首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症の予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操①

ゆるめる部位:頚椎

さまざまな症状の原因となっている頚椎をゆるめ、位置を正すことで症状を和らげます。手を使い、首をねじり、体重をかけることで、首ねじりよりも効果的に頚椎をゆるめ、捻転を矯正することができます。

首ねじり 片手補助 ストレッチ体操のやり方

【1】四つ這いになり、両足のつま先を立て、片手(左手)の手のひらを上に向けて床に置き、顔を横(左)に向けてこめかみを乗せます。反対の手は、体重がかかりすぎないように肘を曲げて支えます。

首ねじり 片手補助 ストレッチ体操のやり方 手順1【背骨コンディショニング】

【2】あごを床につけるように首を曲げ、あごを上げるように首を伸ばして上下します。

首ねじり 片手補助 ストレッチ体操のやり方 手順2【背骨コンディショニング】

首ねじり 片手補助 ストレッチ体操のポイント

こめかみに乗せていない、反対の手は支えるだけで体重をかけないようにします。

首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症などの症状の改善には、首ころがし頚椎7番はめとセットで行うとより効果的です。

脳から出入りしている12対の末梢神経

背骨コンディショニングの基本

脳神経の多くは脳幹に出入りして、それぞれが頭頚部の感覚器や骨格筋に分布します。一部は大脳や胸部なども分布し特定の機能をつかさどります。

12対の末梢神経【背骨コンディショニング】

Ⅰ 嗅神経(知覚神経) 【役割】嗅覚
Ⅱ 視神経(知覚神経) 【役割】視覚
Ⅲ 動眼神経(運動神経・副交感神経) 【役割】眼球運動 
Ⅳ 滑車神経(運動神経) 【役割】眼球運動(上斜筋)
Ⅴ 三叉神経(運動神経・知覚神経) 【役割】顔面・鼻・口・歯の知覚、咀嚼運動
Ⅵ 外転神経(運動神経) 【役割】眼球の運動(外直筋)
Ⅶ 顔面神経(運動神経・知覚神経・副交感神経) 【役割】表情筋の運動、舌の味覚、涙腺・唾液の分泌
Ⅷ 内耳神経(知覚神経) 【役割】聴覚・平衡感覚
Ⅸ 舌咽神経(運動神経・知覚神経・副交感神経) 【役割】舌の知覚・味覚、唾液線の分泌
Ⅹ 迷走神経(運動神経・知覚神経・副交感神経) 【役割】頭部・頚部・胸部・腹部(骨盤を除く)の内臓の知覚・運動・分泌
Ⅺ 副神経(副神経) 【役割】胸鎖乳突筋・僧帽筋の運動
Ⅻ 舌下神経(運動神経) 【役割】舌筋の運動

ゆがみやすい頚椎の変形は多くの症状の原因となる

7つの頚椎の中でも1番上に位置する頚椎1番とその下の2番の腹側には、脳から出た脳神経が集中しています。そのうえ、5〜7㎏もあるといわれる重い頭を支えながら左右上下さまざまな方向に運動させるため、1及び2番は非常にゆがみやすいのが特徴です。

頚椎1番、頚椎7番、棘突起の位置【背骨コンディショニング】

頚椎1番および頚椎2番がずれると神経が脳幹ごと引っ張られ、その先の器官でさまざまな症状が起こります。頭痛やめまいなど、頭や顔の症状のほか、自律神経失調症や不眠をはじめ、原因不明の不調の多くが、この部分のゆがみを矯正することで改善します。

また腕神経叢から出る神経は上肢に向かい、手指のしびれを起こすこともあります。

頚椎のゆがみからくる主な症状

頚椎1〜2

主に関係する神経

Ⅱ〜Ⅻ脳神経

関連する器官・部位

目、涙腺、舌、喉など目から腸までのあらゆる内臓器官

考えられる主な症状

目の疲れ、ドライアイ、血圧の異常、不整脈、不眠、偏頭痛、自律神経失調症、メニエール病、めまい、耳鳴り、難聴、顔面神経痛、味覚異常、唾液分泌異常、顎関節症、歯痛、甲状腺異常、三叉神経痛、首のこり・痛み、肩こり、親指・人差し指のしびれ、てんかん

頚椎1〜3

主に関係する神経

正中神経

関連する器官・部位

首、肩、腕、親指・人差し指

考えられる主な症状

目の疲れ、ドライアイ、血圧の異常、不整脈、不眠、偏頭痛、自律神経失調症、メニエール病、めまい、耳鳴り、難聴、顔面神経痛、味覚異常、唾液分泌異常、顎関節症、歯痛、甲状腺異常、三叉神経痛、首のこり・痛み、肩こり、親指・人差し指のしびれ、てんかん

頚椎4〜6

主に関係する神経

橈骨神経

関連する器官・部位

首、肩、腕、中指

考えられる主な症状

肩こり、腱鞘炎、中指のしびれ、弁膜症、狭心症、不整脈

頚椎7・胸椎1〜3

主に関係する神経

尺骨神経

関連する器官・部位

首、肩、腕、小指・薬指

考えられる主な症状

多汗症、小指・薬指のしびれ、鎖骨の痛み、自律神経失調症、呼吸障害

※解剖学と実際に矯正する箇所で相違があるところがあります。

出典:『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング 仙骨のゆがみを整え、全身の不調を根本から改善する症状別プログラム』著/日野秀彦

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「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!

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足のしびれ・足裏痛の予防と改善法

気になる中身を少しだけご紹介!週に2回の筋トレで筋力アップ!

正しい筋トレ方法でないと効果は得られない

ゆがんだ骨を矯正しても、その状態を維持するだけの筋力がなければ、すぐにゆがんで症状が再発してしまいます。症状の解消には筋力をつけることが不可欠ですが、筋トレは、正しいやり方をしなければ効果がありません。「頻度」「強度」を正しく行うことが大切です。とくに、「強度」は重要で、少なくとも最大拳上重量(自分がギリギリ1回上げることのできる重さ)の50%以上の負荷(強度)が必要となります。大まかな目安として、最大拳上重量を100%MAXとすると、50%MAXなら15回、75%MAXなら10回くらいあげられる重さです。はじめて基礎トレーニングのバックキックやハイエルボーローイング(P74~77)の筋トレを行うときは、「ギリギリ10回はできるけれど11回目は無理」というくらいの負荷で行いましょう。

筋トレは、たくさん行えば効果があるというものではなく、強い負荷をかけて筋繊維を破壊しては、筋組織が再合成されることを繰り返して、筋肉を増やしていくものです。筋肉を使いきった状態(オールアウト)から疲労回復までの時間は24時間から100時間ほどで、筋肉の部位によっても異なります。バックキックで鍛える大殿筋のように大きな筋肉の場合は回復までの時間を考えて、週2回程度の頻度で行います。

トレーニングするときの注意事項

・正しいトレーニングフォームや目的部位を意識し、反動を使わないようにします。
・トレーニングを行っている間は、呼吸を止めないでください。
・トレーニング後はかならずストレッチを行います(トレーニング+ストレッチ=1セット)。

筋肉向上トレーニングの中・長期プログラム

筋力アップには、自分の筋力に合わせた負荷をかけて行うことが大切です。週2、3回のペースで、以下のプログラムに従って負荷を段階的に上げていき、効率的に筋力をつけましょう。同じやり方を続けると効果が出づらくなりますので2ヵ月ごとに刺激を変えて、効果を出し続けるようにします。

筋力向上プログラム

6か月で1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行います。
・ポジティブ:筋肉が縮みながら力を発揮する動作。
・キープ:筋肉が縮んだ状態で、動作を起こさず力を発揮する。
・ネガティブ:筋肉が伸ばされながら力を発揮する動作。

肩首の激痛・めまいの予防・改善「チンイン」

枕やクッションに頭を押しつけ、反発力を使って首まわりの筋肉を鍛えます。

首まわりの筋肉を鍛える

柔らかい枕かクッションに頭を乗せて仰向けになり、あごを引きます。

首まわりの筋肉を鍛える

あごを引いたまま、頭を枕に押しつけます。そのまま力を抜いて元に戻します。これを10回繰り返す。頭を枕に押しつけるときやストレッチを行うときは、肩を動かさないようにするのがポイントです。

ストレッチのやり方

①後頭部を覆うようにして、頭の後ろで両手を組みます。
②背すじを伸ばしたままあごを引き、30秒ほどキープし戻します。

トレーニング10回とストレッチ1回を1セットとして3セット続けて行う。

肩首の激痛、めまいの予防と改善のストレッチ

★ゆがみやすい頚椎の変形は多くの症状の原因に
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★頭痛・肩こりの予防と改善

などなど気になるタイトルが目白押し!

著者の日野さんは、フィットネス、アスリート、不定愁訴改善などさまざまな運動プログラムを開発・プロデュースし、全く新しい「背骨コンディショニング」理論を開発して、現在では全国で展開しています。これまで全国で30万人以上が、なかなか治らない病気や、原因不明の症状から救われ、「奇跡のプログラム」といわれるようになりました。今でも予約が取れず、プロアスリートや芸能人、女優やモデルさんも通うというプログラムを本書ではたくさん公開しています。ぜひ皆さまの健康に役立ててください!

【書誌情報】
『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング』
日野秀彦

「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。 本書は背骨コンディショニングの最新&完全版!痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!