SPORTS LAB
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筋肉に秘められた可能性を最大限に引き出すには!?

Text:野坂和則

エキセントリック運動が筋力の増加を最大限に引き出す

エキセントリック運動の注目すべき特徴のひとつは「大きな力が出せる」ことです。7人制ラグビーのマレーシア代表チームの選手の筋力測定を行いました。測定に使ったのは、「レッグプレス」という下半身全般を鍛えるためのトレーニングマシンです。床に仰向けになり、ウエイト(おもり)を積んだプレートを両脚で上下させます。膝を曲げた状態から、脚を伸ばしながらウエイトを押し上げる動作はコンセントリック運動。伸ばした脚を元に戻すようにして、ゆっくりとウエイトを下げる動作はエキセント リック運動です。

それぞれの動作で、最大どれくらいの重量に耐えられるのか、選手たちのデータを集めました。1回行うのが精一杯、というウエイトの数値(重量)を1RMと言います。レッグプレスの平均的な1RMは、体重の約2倍です。しかし、さすがは屈強なラガーマンです。コンセントリックでウエイトを上げた平均重量は約600kgでした。一般の人よりもはるかに高い筋力です。これに対して、エキセントリックでゆっくりウエイトを下ろした最大重量は、なんと約1トン! 驚異的な数字が出ました。

まず初めに1枚20kgのウエイトを34枚積んで680kgでチャレンジ。このときまだ余力があったので、さらにウエイトの上に選手3人が座って重量をプラス。これで総重量約1トンです。このプレートを、ゆっくり下ろすことができたのです。

つまりエキセントリックは、コンセントリックに比べて、およそ1.5倍の力を出すことができるのです。これはエキセントリックを用いることによって、筋肉により大きな負荷をかけることが可能で、それによって筋肉に秘められた可能性を最大限に引き出せるということにもなります。

【書誌情報】
『ゆ〜っくり座れば、一生歩ける!』
著:野坂和則

一生歩ける足腰はゆ〜っくり座ることで鍛えられる!「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性は約72歳、女性は約74歳です。誰でも歳をとるにしたがって身体機能は衰えていきますが、その衰え方には大きな個人差が。その個人差の要素のひとつが「運動」です 。運動をしている人とそうでない人では、健康寿命に大きな差が出てきます。運動といってもいろいろありますが、健康寿命を高めるには脚の筋力を維持し、向上させる筋力トレーニングが必須です。しかし、そうは言っても普通の筋トレはつらそうだし、なかなか重い腰が上がらない……という方にこそ実践して頂きたいのが本書で紹介している「エキセントリック運動」です。ゆ~っくりイスに座る時、大腿の前側の筋肉は伸ばされていきます。これが典型的なエキセントリック運動です。本書では、自宅でできるエキセントリック運動を紹介しており、どうしてエキセントリック運動が一生歩けるような足腰をつくるのに適しているのか解説しています。試しに、ゆ~っくりイスに座ってみて下さい。それだけでもかなり脚に効いていることがわかるはず。つらくないのに効果は絶大――。エキセントリック運動をすれば、10年分の筋力低下を、たった2ヵ月で元に戻すことも可能です。転ばぬ先の杖、一生歩ける体でいられるように、今日から準備を始めましょう。高齢者の方はもちろん、家族全員でぜひ読んで頂きたい一冊です。