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エキセントリック運動は糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病のリスクを下げる可能性がある!

Text:野坂和則

糖尿病や心筋梗塞などのリスクを減らす

エキセントリック運動には、さまざまな効果があります。そのなかでも糖尿病や心筋梗塞といった、生活習慣病のリスクを下げる可能性があると聞けば、多くの方が興味をもたれるのではないでしょうか。

今や糖尿病は日本の国民病ともいわれ、患者として疑われる成人が推計1000万人※にのぼるとされます。※ 「2016年国民健康・栄養調査」

厚生労働省合併症を引き起こせば糖尿病性網膜症からの失明や、腎症によって人工透析が必要になる場合もあります。また、動脈硬化は血液の循環を悪化させるので、脳梗塞や脳卒中、心筋梗塞などを引き起こしやすくなります。いずれも発症すれば、深刻な病状となるものばかりです。

こうした生活習慣病の危険を小さくするために、エキセントリック運動が効果的である可能性を示した研究結果があります。★60歳から76歳の男性を13名ずつのグループに分け、トレーニング用のマシンで両脚(下肢)に負荷をかける実験を行いました。ひとつのグループは膝をまっすぐに伸ばした状態から、おもりをゆっくり下げるエキセントリック運動を。もう一方のグループは膝を曲げた状態から、おもりをゆっくり上げるコンセントリック運動を行いました。週に1回、12週間にわたってこのトレーニングを行ったところ、注目すべき血液検査の結果が出ました。

エキセントリック運動を行った人たちの安静時の血糖値、中性脂肪や悪玉コレステロール(LDL)など血中脂質の数値が、運動前に比べてことごとく下がっていたのです。 コンセントリック運動のグループにも効果の見られた項目がありましたが、前者と比べるとその数値に大きな差があります。

血糖値が下がれば糖尿病のリスクが減ります。血中脂質の数値が低ければ、動脈硬化の危険性が低くなります。生活習慣病の改善や予防のため、エキセントリック運動が果たす役割に期待がかかります。

【書誌情報】
『ゆ〜っくり座れば、一生歩ける!』
著:野坂和則

一生歩ける足腰はゆ〜っくり座ることで鍛えられる!「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性は約72歳、女性は約74歳です。誰でも歳をとるにしたがって身体機能は衰えていきますが、その衰え方には大きな個人差が。その個人差の要素のひとつが「運動」です 。運動をしている人とそうでない人では、健康寿命に大きな差が出てきます。運動といってもいろいろありますが、健康寿命を高めるには脚の筋力を維持し、向上させる筋力トレーニングが必須です。しかし、そうは言っても普通の筋トレはつらそうだし、なかなか重い腰が上がらない……という方にこそ実践して頂きたいのが本書で紹介している「エキセントリック運動」です。ゆ~っくりイスに座る時、大腿の前側の筋肉は伸ばされていきます。これが典型的なエキセントリック運動です。本書では、自宅でできるエキセントリック運動を紹介しており、どうしてエキセントリック運動が一生歩けるような足腰をつくるのに適しているのか解説しています。試しに、ゆ~っくりイスに座ってみて下さい。それだけでもかなり脚に効いていることがわかるはず。つらくないのに効果は絶大――。エキセントリック運動をすれば、10年分の筋力低下を、たった2ヵ月で元に戻すことも可能です。転ばぬ先の杖、一生歩ける体でいられるように、今日から準備を始めましょう。高齢者の方はもちろん、家族全員でぜひ読んで頂きたい一冊です。

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