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骨粗鬆症のリスクを低下させる日常生活の中の動きとは!?

Text:野坂和則

ゆっくり階段を下りることで骨を丈夫に!

階段を下りる動き(エキセントリック運動)が骨密度を高めてくれる、という実験データがあります。

エキセントリックのグループには、1階から6階までをエレベーターで上がり、階段で下りてくる運動を。一方のコンセントリックのグループはその逆で、1階から6階まで階段で上り、エレベーターで下りてくる運動をしてもらいました。テスト期間は12週間です。

その結果、階段を上るグループに変化がなかった一方、階段を下りるグループは、骨密度が平均で7.8%も高くなりました。階段を下りる、という刺激が骨芽細胞を目覚めさせ、丈夫な骨をつくる下地ができたのです。

ただし、このとき注意したいのは、急いで階段を下りてしまうと、筋肉へのエキセントリックな刺激が低くなることです。
骨へのダイレクトな刺激と、筋肉を経由した刺激の両方を得るには、ゆっくりと一歩づつ、太ももの前側の筋肉を意識して下りることです。

骨密度が高くなれば、骨粗鬆症のリスクも低下します。 さらには、転倒や骨折といった深刻な事態も遠ざけてくれます。 そして何より、自分の足でいつまでも元気に歩くことができ、実りある時間を過ごしていけます。

【書誌情報】
『ゆ〜っくり座れば、一生歩ける!』
著:野坂和則

一生歩ける足腰はゆ〜っくり座ることで鍛えられる!「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」である健康寿命は、男性は約72歳、女性は約74歳です。誰でも歳をとるにしたがって身体機能は衰えていきますが、その衰え方には大きな個人差が。その個人差の要素のひとつが「運動」です 。運動をしている人とそうでない人では、健康寿命に大きな差が出てきます。運動といってもいろいろありますが、健康寿命を高めるには脚の筋力を維持し、向上させる筋力トレーニングが必須です。しかし、そうは言っても普通の筋トレはつらそうだし、なかなか重い腰が上がらない……という方にこそ実践して頂きたいのが本書で紹介している「エキセントリック運動」です。ゆ~っくりイスに座る時、大腿の前側の筋肉は伸ばされていきます。これが典型的なエキセントリック運動です。本書では、自宅でできるエキセントリック運動を紹介しており、どうしてエキセントリック運動が一生歩けるような足腰をつくるのに適しているのか解説しています。試しに、ゆ~っくりイスに座ってみて下さい。それだけでもかなり脚に効いていることがわかるはず。つらくないのに効果は絶大――。エキセントリック運動をすれば、10年分の筋力低下を、たった2ヵ月で元に戻すことも可能です。転ばぬ先の杖、一生歩ける体でいられるように、今日から準備を始めましょう。高齢者の方はもちろん、家族全員でぜひ読んで頂きたい一冊です。

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