寒暖差の大きい時期は体調を崩しやすい
日中は暑くても朝晩は肌寒さを感じるようになる「季節の変わり目」は、体調を崩しやすいことでも知られています。
私たちの体は2種類の自律神経(交感神経・副交感神経)によって体温を調節したり、ストレスから体を守ったりとさまざまな刺激や環境の変化に対応していますが、こうした変化が大きくなるにつれ、自律神経やそれに伴うホルモン分泌などといった体の機能がその変化に対応しきれず、免疫力や抵抗力を低下させて体調を崩しやすくなります。
また春だけではなく、秋に見られる花粉症(ブタクサ・ヨモギなど草本花粉)などにアレルギー反応を起こす人もいます。
練習後の対策
練習中は体を動かしているため体温が上がって汗をかいていても、寒暖差の大きい時期はしばらくすると外気温で体が冷やされることになります。
練習中にかいた汗は すぐにタオルで拭く、こまめにウエアを着替えるといったことを心がけるだけでも体温の急激な低下を防ぎます。
また事前にウォームアップジャケットを準備しておき、 体感温度に合わせて羽織ったり脱いだりすることで自律神経による体温調節をカバーすることができます。
風邪などの感染症予防にはウイルスの侵入を防ぐための「手洗い・うがい」が欠かせませんが、体の免疫力が低下しているとこうしたウイルスに感染しやすくなります。
今日の疲れを明日に持ち越さないようにするためにも、十分な睡眠時間を確保し、生活リズムを整えるようにしましょう。
就寝時の対策
就寝時には体が冷えないよう長袖・長ズボンを着用し、特にお腹周りの冷えが気になる人はブランケットやタオルなどをかけておきましょう。
お腹周りが冷えてしまう と腹痛や下痢を起こしやすく、脱水症状から体調を崩しやすいので注意が必要です。
また寝る直前までスマホの画面を眺め続けていると脳が覚醒してしまい、睡眠モードに移行できません。
就寝時間、起床時間を一定にして睡眠リズムを整えるようにしましょう。
すでに体調が思わしくなく、特に喉に違和感や痛みのあるときは、乾いたタオルをマフラーのように喉に巻いて保温に努めると、痛みの軽減が期待できます。
喉の痛みの多くが炎症性のものであり、拡がってしまうことによって体温上昇=発熱へとつながります。
違和感や痛みが次第に強くなる場合は、早めに医療機関を受診し適切な処置を受けるようにしましょう。
【書誌情報】
『基礎から学ぶ スポーツセルフコンディショニング』
著:西村典子(アスレティックトレーナー)
近年、セルフコンディショニングという言葉を聞けば、自分自身で自分の体を良い状態に保つための取り組みであることが理解されるようになってきましたが、やはり、その内容は奥が深く、まだまだ正しい知識が広まっていないのが現状です。そこで、本書では、数々のプロスポーツ選手を指導した経歴を持つ日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーである西村典子氏による環境に頼らず自分自身をアップデートする基礎から学ぶセルフスポーツコンディショニングを3つのパートに分けてわかりやすく紹介。結果を出すアスリートは必ず実践しているコンディショニングは必見です。
公開日:2019.08.16
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