骨盤の傾きを確認しよう
骨盤の傾きによっても姿勢は変化し、パフォーマンスに影響を及ぼします。
体の側面から見て、骨盤の位置が正しいところにあるかどうかを確認しましょう。
猫背のときの姿勢チェックと同様に壁際に立ち、かかと、お尻、肩甲骨、後頭部の4点セットを壁につけます。
その姿勢を保持した状態で腰と壁とのすき間を見ます。
握りこぶし1個分以上のすき間がある場合は骨盤が前傾、逆に手のひらの幅よりもすき間が少ない場合は骨盤が後傾傾向と考えられます。
骨盤の傾きと姿勢の関係
《骨盤の前傾》
妊婦を想像するとわかりやすいと思いますが、お腹が前方につきだしたことによって重心が体の前方へ移動し、これに抵抗して背筋群を使って体のバランスをとった状態が骨盤の前傾を強めます。背筋群が緊張し、腰がいわゆる「反り腰」となってしまい、走ったり跳んだりといった 動作を繰り返すたびに腰椎により大きな負担がかかって腰痛の原因になりやすいといわれています。腹筋や太もも の後面(ハムストリングス)の筋力低下とともに、太ももの前面(大腿四頭筋、腸腰筋など)や背筋群は筋肉が硬くなりやすい傾向にあります。
《骨盤の後傾》
骨盤が後ろに傾くといわゆる「お尻が落ちてしまった状態」になります。 椅子にふんぞり返って座っている状態を想像してもらうとわかりやすいといます。お尻が落ちた状態では姿勢を保持するために上半身が丸まってしまい、頭が前に突き出した状態となって肩こりや首のこりなどが起こりやすくなります。骨盤が後傾すると姿勢が崩れるだけではなく、腰の回旋動作がうまくできなかったり、股関節の動きが制限されたりして、パフォーマンスを低下させる要因ともなります。
【書誌情報】
『基礎から学ぶ スポーツセルフコンディショニング』
著:西村典子(アスレティックトレーナー)
近年、セルフコンディショニングという言葉を聞けば、自分自身で自分の体を良い状態に保つための取り組みであることが理解されるようになってきましたが、やはり、その内容は奥が深く、まだまだ正しい知識が広まっていないのが現状です。そこで、本書では、数々のプロスポーツ選手を指導した経歴を持つ日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーである西村典子氏による環境に頼らず自分自身をアップデートする基礎から学ぶセルフスポーツコンディショニングを3つのパートに分けてわかりやすく紹介。結果を出すアスリートは必ず実践しているコンディショニングは必見です。
公開日:2019.08.21