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目指すは藤川球児のストレートに桑田真澄のカーブ。千葉ロッテマリーンズドラフト3位ルーキー廣畑敦也【ラブすぽ独占インタビュー】

千葉ロッテマリーンズのドラフト3位ルーキー、廣畑敦也。都市対抗野球では新人賞にあたる若獅子賞に輝いた期待の右腕だ。中継ぎとしてチームに貢献を続ける廣畑敦也にシーズン序盤戦の感想や目指す投手像、プライベートまで話を聞いた。

「自分が思った通りのボール」なら
プロでも勝負ができる

――開幕から約2カ月が経過しました。プロ1年目のここまでを振り返ってください。

廣畑 アマチュア時代と違って移動が多かったり、移動してすぐ試合があったり、とまどう部分も多かったです。ただ、今は練習の流れやビジターでの試合の流れについても分かってきたので、少しずつプロの野球に慣れてきたのかなと思います。

――プロでやっていく上での手応えは?

廣畑 自分が思った通りのボールを投げればある程度勝負できるなという実感はあります。ただ、まだまだ甘いボールや投げミスがあるので、逆にそういう時はプロのバッターは逃してくれない、捉えられるな、という感覚です。

――100%のパフォーマンスをアベレージで投げないと通用しない世界?

廣畑 80%ではダメですね。100%……もっといえば120%を出さないと。たとえ100%でも相手が100%以上を出してくることが多いのがプロの世界。自分が持っているモノ以上を出すことは無理ですけど、能力を最大限に生かすことが大切なんだなと。

――アマチュア時代とは違う感覚。

廣畑 アマチュアでは先発もしていて、投げる場面もある程度決まっていましたし、出力を抑えるシチュエーションも当然ありました。ただ、今はリリーフということもあって常に100%以上は出さないといけない。

――リリーフの調整法にとまどいはなかったですか?

廣畑 自分が投げる、という部分では変わらないので、そこまで大きなとまどいはないです。ただ、いつ投げるかわからない状況ではあるので、試合の流れを見たり、登板するタイミングに合わせて調整することは意識しています。そのあたりの調整法は小野コーチ、木村コーチに教わりながらやっています。

――2人のコーチからのアドバイスで特に意識している部分は?

廣畑 たとえば逆球だったり、甘いボールだったり、自分の力が出ていないボールは打たれるよ、と。毎日投げる可能性のあるリリーフですし、先ほども言った「自分が思った通りのボールを投げる」ことは、改めて意識するようになりました。

――廣畑投手の場合、ドラフト前から「即戦力」と言われていましたが、その期待がプレッシャーになることはないですか?

廣畑 プレッシャーはないですね。「即戦力になれ」と言われたところでフタを開けてみないとわからないですし、野球なんてそういうものなんで。自分がどれだけ良いボールを投げても相手が上回ることもあれば、その逆もあります。もちろん自分がもっと力を出せていれば現時点で今より良い成績を残すことも出来たのかもしれない。ただ、プロ入り当初はまず「プロに慣れる」ことを目標にして、次が「開幕一軍」と、目の前のことを少しずつクリアすることだけを考えていたので、あまり周囲の評価は気にせずに野球に集中したいですね。

――もともと、そういう「他者からの目、評価」は気にしない?

廣畑 気にしたところで、やるのは自分ですからね(笑)。もちろん、評価というものは数字でされるものだし、その意味ではもっと数字を上げていかなければいけない。客観的な数字は自分に何が足りないかを教えてくれるので、当然そこも意識しながらやっていきたいと思っています。

――プロである以上、「数字」は避けて通れない。

廣畑 今は結果だけでなくトラックマンの数字も含めて、いろいろなものが可視化できるようになったので、参考にはしますね。

――具体的に、どういう部分を意識しているのでしょうか。

廣畑 自分で「良い」と思うボールでも数値で見るとそうじゃなかったりすることもあります。自分の感覚と実際の数値もしっかりとすり合わせる必要がありますし、僕は回転数とか回転軸よりも、投げているボールのゾーンを意識しますね。改めて確認すると打たれたボールはやっぱり甘いコースだったことが多いですし。逆に抑えたボールはしっかりコースに投げ込めていることが多い。「あぁ、やっぱりここに投げていたら打たれるよな」ということを再認識できる。

――理想とする“投手像”はありますか?

廣畑 プロ野球選手として結果を残すことはもちろんですけど、「こういう選手だから応援したい」と思ってもらえるような、ファンの方に愛される投手になりたいです。技術面で個人のお名前を出すなら、藤川球児さんのストレートや桑田真澄さんのカーブ。「誰」というよりは、いろんな投手の一番良いボールを見るのが大好きなので、そういうところを吸収していきたいです。

お気に入りのカフェあります
会えたらコーヒーの話でも(笑)

――少し、野球の話以外も伺いたいと思います。廣畑投手と言えば「多趣味」で知られているのですが、とくに有名なのが「コーヒー」です。そもそも、ハマったキッカケは?

廣畑 もともと、「苦い」というイメージしかなくてそんなに好きじゃなかったんです。でも、ある時すごく美味しいお店のコーヒーを飲んで衝撃を受けたんです。イメージを覆されると感動するじゃないですか?そこから一気にハマりました。もともと凝り性ですし、野球と一緒でコーヒーって毎日変化するんですね。そういう部分も奥深いなと。

――「コーヒースペシャリスト」の資格はいつ取られたんですか?

廣畑 社会人時代です。通信で取れるので、空き時間に勉強しました。資格を取ったことでただのコーヒー好きの人ではなく、「資格持ってるんだ?」と会話のネタも増えましたし、自分をより知ってもらえるためにもよかったなと思います。資格はなくてもコーヒー屋さんにはなれるんですけどね(笑)。

――「コーヒー屋」の夢はかなり具体的なんですね。

廣畑 もちろん、今は野球が第一ですけど、人生一度きりですし、野球だけをずっとやれるわけではないので、いつかはやりたいと思っています。

――オススメのカフェはありますか?

廣畑 忙しくてあまりカフェ巡りはできていないんですけど、都内に以前からお世話になっているカフェはあります。ただ、ものすごくハイレベルなので飲んでも分からないかもしれません(笑)。僕も試合のない日にはよく行ってます。1~2時間はいるので、もし会えたら一緒にコーヒーと野球の話も出来ると思いますよ。

取材:2022年5月27日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ

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