SPORTS TALK
- スポーツを通じたコミュニケーション -

球速よりも打者の「反応」を重視。千葉ロッテマリーンズ小島和哉が目指す理想の投手像

Text:花田雪

プロ2年目の昨季、シーズン通して先発ローテーションを守り抜き、自己最多となる7勝を挙げた千葉ロッテマリーンズの左腕・小島和哉。今季も開幕から先発として起用され、安定した投球でチームの力となっている。
混戦のパ・リーグを制するための“キーマン”になりうる3年目の左腕に、今季ここまでの手応えと、自身のピッチングスタイルについて語ってもらった。

少しでも長いイニングを

――2021年も開幕から先発ローテーションを守られています。今季の感触は?

小島 先発で使い続けてもらっていますけど、僕自身の感覚としてはまだまだチームに貢献できているとは思えていません。昨季は1年間ローテーションで使ってもらって規定投球回に届かなかったので、今季はそこ(規定投球回)を目標に掲げています。ただ、その中であまり長いイニングを投げることができていない。そこがちょっと、自分の中でやり切れていないなと。

――今季の最長イニングは6月13日の巨人戦で記録した6回2/3(※取材時点)。やはり、先発する以上は少しでも長いイニングを投げたいという思いがある。

小島 「先発完投」できるのが一番ですが、13日の場合はイニングの途中で降りてしまいました。リリーフが後を抑えてくれたのは本当にありがたいんですけど、やはり任されたイニングを最後まで投げ切るのは先発投手として大事なことだなと。結果としては今季最長イニングでしたけど、そういう悔しさはありますね。

――野球界では投手の分業制が確率されていますが、それでも「完投」への意識はある?

小島 どのチームも終盤の7、8、9回に良い投手が控えていて、最終的には先発して6回まで投げてきた投手と、リリーフ投手を天秤にかけるわけじゃないですか。そこで「リリーフに託そう」となるのか「このまま先発に任せよう」となるのか。信頼を勝ち得れば(終盤のイニングも)任せてもらえる機会が増えてくると思うので、投げるからには最後まで、という気持ちはつねに持っています。

――これからシーズンが進む中で長いイニングを投げるために必要なものは?

小島 力で圧倒するタイプではないので、球数だったり、しっかりと頭で考えてゲームをプラン通りに進めること。相手打線も1巡目、2巡目、3巡目と対戦機会が増えるたびに打率も上がってくるので、そこをどうやって抑えるか。技術も含めてすべての要素が必要になるのかなと思います。

――「球数」は気にする?

小島 投げている側からすれば、たとえば100球を越えたらいきなり(球威が)ガクンと落ちる、みたいなことはないんですけど、首脳陣の方々はそこを目安に考えていると思うので、たとえば前半で球数が増えてしまった試合などは少し気にすることもありますね。

――一方で「球数」を気にしすぎると勝負をいそいでしまったり、遊び球を使いにくくなるケースも出てくると思うのですが。

小島 そこは本当に難しいところです(苦笑)。まずは前半、なるべく球数を費やさないこと。その上で早い段階で自分の武器となる球種を見極めて、後半の勝負所まで取っておくことも重要なのかなと思います。自分の「引き出しの中身」を最初から全部は見せないようにする。試合の中でも「ここでこのボールを投げればたぶん打ち取れるけど、終盤のことを考えて見せないでおこう」というケースもありますね。

難しくも楽しい打者との駆け引き

――試合の中での配球は、過去のデータなども参考にするのでしょうか。

小島 試合前のミーティングはもちろん参考にしますが、それはあくまでも「僕以外の投手との対戦データ」なので、試合中の感覚や相手の反応をより重視しています。イニングごとにバッテリーを組むキャッチャーとも「このボールは使えるかも」「あの球種には反応してきた」といった話はします。

――試合中、前の打席の配球は頭に入っている?

小島 対戦した時、前の打席でどう攻めたかはパッと浮かびます。ただ、難しいのが前の打席で打ち取ったからといって、同じ配球でいいわけではないということです。打ち取ったからこそ、そこを意識して待たれているケースもありますし、逆に苦手なコース・球種なら徹底して同じように攻めたほうが効果的なこともある。ただ、投手としてはそういう駆け引きはすごく楽しい部分でもあります。

――そういうことを意識するのは、先ほどご自身でも仰った「力で圧倒するタイプではない」という自覚があるから?

小島 そうですね。(佐々木)朗希みたいに球が速いにこしたことはないんですけど、自分の持っている球種でどれだけ投げられるかをいつも考えています。勝負所で考えすぎるのも良くないとは思いますが、登板前日から投球の組み立てや対戦打者の映像もチェックしますし、僕自身はそういうことをやらないといけない投手だと思うので。

球速よりも打者の「反応」を意識

――佐々木朗希投手の名前が出ましたが、ああいう「速いボールを投げる」投手をうらやましいと思うことはありますか?

小島 普通に思います(笑)。ただ、僕自身はそこまで球速にこだわりは持っていないです。そこで勝負するタイプではないし、そういう「数字」よりも打者を差し込めているかといった「反応」を重視しています。

――そんな中、プロ2年目、そして3年目の今季もしっかりと結果を残せている。自信につながる部分もあるのではないでしょうか。

小島 昨季から吉井(理人)コーチにしっかりと管理してもらって、シーズン通したプランも立ててもらえるのはすごくありがたいです。僕の中で財産にもなっています。

――プロ入りしてから現在まで、自身の成長を感じる部分はどこでしょう。

小島 色々ありますけど、今年の途中から投げ始めたシュートには手応えを感じています。実は昨年のキャンプから練習していたんですけど、ようやく使えるめどが立った。球種を増やしたことで投球の幅は広がったかなと感じています。

――「空振り」や「三振」を奪うことへのこだわりはありますか?

小島 数にこだわりはないですけど、勝負所で「三振を取りにいく」という気持ちはあります。ただ、自分自身が三振をバンバン取るタイプではないのは分かっていますし、あまり意識はしていないですね。

ホークス和田投手を尊敬

――ここまで自身のピッチングスタイルについてお話を伺いましたが、投手として意識する相手や「ライバル」という存在はいますか?

小島 ライバルとは違いますけど、ソフトバンクの和田(毅)さんは中学校の頃からテレビで見ていて、大学も同じ早稲田ですし、その中で大学時代に残されてきた数字などをあらためて見て「すごいな」と思いながらプレーしてきました。プロに入られてからも結果を残されていますし、ずっと「和田さんみたいになりたい」と思い続けて練習してきたので、同じ舞台で投げることができて光栄だし、今でも一番尊敬している投手ですね。

――最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

小島 シーズンはこれから終盤戦に向かって大事な試合が増えてくると思います。そこをしっかりと勝ち切って、最後には優勝できるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!

――ありがとうございます!

(収録:2021年6月16日)