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スポーツ庁で働く忰田氏がオーストラリア留学で見えた日本のスポーツ業界の課題とは?

留学を通じて見えてきた、日本のスポーツ業界の課題とは?

– オーストラリアに留学をしてみて、日本のスポーツ界についてどのように感じましたか?

まずスポーツに対する捉え方が全然違うと感じました。日本にいるとスポーツ=競争というか、少し息苦しい印象で捉える方もいると思います。けれども、オーストラリアではスポーツは楽しむものと捉えられていて、生活レベルに浸透している印象を受けました。

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-確かに日本では体育=スポーツというイメージから、楽しむものとは少し違う見方をしているかもしれませんね。具体的にそのように感じたきっかけなどはあるのでしょうか。

半年間RUGBY UNIONというプロリーグの支局のようなところでのインターンシップでは子どもから大人までを統括するアマチュアリーグの運営支援していました。そこでは、ジュニア世代から各チームに1軍、2軍、3軍があり、1軍は1軍同士、2軍は2軍同士、3軍は3軍同士でリーグ戦をしていて驚きました。

スポーツをすることの楽しさって実際に試合に出ることだと思います。しかし、日本だとどんなに練習しても少年野球ですら試合に出られない子がいる。年代が上がると更に試合に出られる数が減ってしまう。そうすると、スポーツが一部の人のものになってしまいます。そういう小さい頃からの習慣って大人になっても中々変わらない。

スポーツを自分と関係のあることとして捉える人の割合が、オーストラリアと日本の間では圧倒的に違うと思いました。

-そうなんですね!確かに大前提である「楽しむこと」をスポーツする際には重視していきたいですよね。ビジネス的なこととしては、オーストラリアに留学してみてどのようなことを感じましたか?

スポーツ界に限らず日本社会全体の課題だと思いますが、個々のサービスや商品が優れているというより、システムを整えることが重要だと感じました。

特にスポーツは無形資産、つまり目に見えにくいものを売る性質があります。その性質上、関係者が結束し、役割のルールメイキングをすることが非常に大切だと思います。

そういった観点から見ると、リーグ側がかなりビジネスライクに意思決定をしてルールメイキングをするのがオーストラリアです。

例えばオーストラリアンフットボールでは、他スポーツとの競争が激しくなり顧客基盤の確保が困難になることがあります。その際には、ホームスタジアムの数を絞り、特に収益確保が難しい大規模なホームスタジアムは2チームでの共同ホームとする。こういった意思決定をしました。

新しい論点ではありませんが、リーグの事業としての権限の強さは、無形資産であるスポーツで収益をあげる上で改めて大切だと感じました。

【インタビュー】
スポーツ庁参事官補佐 忰田康征

◆経歴◆
・1986年福岡県北九州市出身。2009年早稲田大学卒業後、経済産業省に入省。地域経済政策や貿易政策等を担当。
・2015年から2年間オーストラリアに留学し、グリフィス大学でスポーツマネジメント修士号を取得。
・2017年6月からスポーツ庁に出向中。
・スタジアム・アリーナ改革やスポーツ経営人材の育成・活用、SOIP(スポーツオープンイノベーションプラットフォーム)、スポーツシェアエコの推進等を担当。
・スポーツ界と他産業間の交流を促進するため、プライベートでもスポーツビジネス交流会を開催。

【取材元】スポジョバ〜スポーツ業界に特化した求人メディアサイト〜
取材・構成=久下真以子
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