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「お神輿を家族と一緒に」脊髄損傷者専門ジムの創業者が描く想いとは?

J-Workout(脊髄損傷者専門ジム) 伊佐拓哲さんインタビュー④

ーーパラスポーツ普及の影響もあって、障害のある方を見る機会も増えてきたように思います。「脊髄損傷のスペシャリスト」の需要はどんどん高まっていくのではないでしょうか。

伊佐:実際に数が増えているというわけではないですけど、多くの脊髄損傷者が世の中に存在するわけで、そのすべての人に一生をかけて向き合って1人でも多く歩かせたいと思っています。
脊髄損傷者がいる限りはやりがいのある仕事だと思うし、そこから切り取って出来る仕事もある。
「誰かの困りごとはみんなの困りごと」じゃないですけど、健常者や高齢者に対しても予防が提供できると思うので、需要は高まってくるのではないでしょうか。

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ーー伊佐さんがトレーニングを通して実現したい社会って、どんな世界なんでしょうか。

伊佐:脊髄損傷者が「障害」と呼ばれない世の中を実現したいですね。「障害」っていったい何なのかということを、皆さんが考える機会も増えてきたと思います。
「できないことが多い=障害」であれば、自分も障害者で構わない。だって自由に歩けないし、階段も1人では上がれないですから。
でも働けるかどうかで言えば障害者じゃないかもしれないし、コミュニケーションをとれるかどうかで言えば障害じゃないかもしれない。どこに軸を置くかによって、障害の定義は変わってきますよね。
「障害者=守らなきゃいけない」という構図が変われば面白いし、そんな中で私たちが提供できるのが「歩きたい」という願望に寄り添うことだと考えています。

ーー「歩く」ということが、社会を変える上での1つの手段としてあるということでしょうか。

伊佐:歩くことをもちろんメインとして提供しているんですけど、「歩くことで何がしたいか」ということがもっと大切です。仕事がしたいとか学校に行きたいとかって歩かなくてもできるじゃないですか。
まずはみんなでその後押しをして、歩かないとできないことが出てきたら、仕事と並行して歩行のトレーニングをしていく。そのすべてを私たちが全力でサポートしていきます。

ーー手段が目的になるのではなく、目的を見極めたうえでモチベーションを保つ。障害者に限らず大切なことだと、お話を聞いていて思いました。

伊佐:私は歩けるようになったらもう一度渡辺と相撲がとりたかった。あとはお神輿が好きなので家族と一緒に担ぎたいという夢もある。でもただ歩くことだけに集中してしまったら、目的を見失って「何していたんだっけ」となるじゃないですか。
利用している脊髄損傷者の方のモチベーションに寄り添う、それが私たちの使命だと信じています。

【インタビュー】J-Workout(脊髄損傷者専門ジム)伊佐拓哲
◆経歴◆
1982年、東京・両国生まれ。大学生の時に番組での競技挑戦中に事故に遭い、脊髄損傷に。2007年、中学からの親友・渡辺淳氏と「株式会社J-Workout」を創業。2014年に代表就任、2015年に現在の木場スタジオに移転。現在は大阪スタジオや福岡スタジオなど拠点を展開している。

【取材元】スポジョバ〜スポーツ業界に特化した求人メディアサイト〜
取材・構成=久下真以子
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